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第二十話 ちょっとした肉体改造

 1体目の分身が死んでから1日がたった。


 分身が爆死した数は100体を越えているがようやく、やりたかったことと結果は違うがそれよりも強力な状態になって、気結に付いての肉体改造の可能性の検証が成功した。


 かなりの痛みを伴ったため、本体は今汗がすごいことになっている。


 さらに、肉体や他の機能もおまけに強化されていた。


 検証手成功したが毎回爆発して砕け散っていた分身だがいろいろ試していくうちに、いくらやってもうまくいかなかったため、いっそのこと気結に通すのではなく、魔素みたいに体全体に気を流せば容量がもっと増やせるのではないかと、思ったため別の方法で試した。


 体内を気結に見立てて魔素を使って流してみたところ、気が何回も爆発を繰り返し失敗したが1000体中4体は成功して少しずつ広がってきている。


 これも成功だな。


 気結を広げるよりは難易度が下がったみたいだけど、それでも成功するのが難しい今は、この方法が一番早いと思いこの方法で、気を増やすことにした。これで体全体に広げるにはだいたい、成功した分身1000体が必要。


 今から分身を出しては、体内に気を通し成功するまで分身が爆発して血を巻いて粉々になる姿を何回も見て、体験してその痛みに耐え続けなければいけないので、今回は覚悟をしなくてはならない。


 1000体成功した分身をするまでにだいたい約24000体の分身が、粉々になって死ぬ痛みに耐え続けなければならない途方もないな。


 できる限り早くやろうか。


 一日で終わるかな。本体は激痛で寝込むだろうな。もしかしたら、痛みが強いので精神ではなく俺の肉体に現実で被害が出そうだな。いやたぶんすぐに出るだろう。


 俺は首を振りいやな考えを消し去る。


「はぁー」


 溜息を吐きつつも俺は馬鹿だなと思いながらも、頬をおもいっきり両手でたたき身を引き締めて作業を始めた。


 寝込むために本体に意識を戻した。今はもう朝だが、俺はベッドに入って激痛に耐える準備をする。


 地獄の始まりだな。


 俺は分身たちの体内に気を体内に流す作業の開始を告げる。


「レイル様、朝ですよ。起きてください」


「……」


「起きないわね。疲れているのかしら、そっとしておきましょうか。それにしてもすごい汗ですね」


 手を触れてきているのかな。今の俺にそんなものを感じる余裕はない。爆発する痛みと死んだときの嫌な感じが常に襲ってきている。一回で分身している数は1000体で、この数を体内で気を流すのにだいたい1時間かかるからため合計で24時間くらいかかる。


 その間1日くらい地上にいる本体は、痛み以外何も感じないためマリー母さんに心配をかけるが、仕方ない。


「……う」


「熱いですね。これは風邪ですかね。マリー様に知らせなくては」


 そう言って、レイアは扉を慌てて開けてマリー母さんを呼びに行った。すぐに走ってきてマリー母さんは俺の部屋のドアを思いっ切り開けて入ってきた。


「レイル大丈夫。今薬師とヒーラーを連れてきたからね」


「風邪ですかね。風に効く薬でも飲ませますか」


 俺に触れて診察してくれる薬師の女性の人が薬を飲ませてきたが、俺はそのまま飲まずに口からこぼしている。全然飲んでくれない俺に困った顔をしている薬師の女性。


「レイル飲みなさい」


 マリー母さんが薬と水を俺の口の中に入れて、俺の口を手で押さえて強引に流し込んだ。薬を飲んでから一時間がたった。


「かはっ」


 1000体中40体が成功した時にもう一度1000体を分身させた時だった。俺の体に負荷がかかり口から血を吐いた。


「レイル」


「レイル様」


 俺が突然吐血した瞬間に驚いたように言うマリー母さんとレイアは、俺に近付いて心配そうに顔を覗かせていた。


「ほんとに、風邪なの」


「わかりません」


「私、一応ヒール使っておきます。ヒール」


 マリー母さんが薬師の人にもう一度聞いてみると、今度は頼りない声で薬師の人がマリー母さんに答えた。そのあとに初級の回復魔法のヒールをヒーラーの女の人が俺にかけてくれたが回復をした感じはなかった。


「どうしたらいいの」


「うーん」


「あまり体力を減らさないほうがいいと思いますよ」


 みんなどうしていいのかわからずに、体力だけは減らさないように回復魔法やいろんなポーションや、薬やしまいには、変な色の薬を俺に飲ませてくれた。

 

 うぇー、まず。


「これで、落ち着いてくれるといいですね」


「レイル、頑張ってね」


「レイル様、頑張ってください」


「(お、ぼ、え、て、ろ、)」


 ヒーラーの女の人が気休め程度に言葉を放ち、マリー母さんとレイアが励ましてくれた。


 そんな中俺は最後に飲んだ薬が、この世のものとは思えないほどの味で、まずかったので誰にも聞こえないように、これを飲ませた誰かに文句を言った。


 それから11時間がたち、11度目の分身1000体召還を終えた後に今度は吐血以外にも、俺の体に異変が起きた。まず鼻から血が出始め目が充血して、血の涙が出てきた。


 意識が遠のきそうになったが何とか持ちこたえ踏ん張る。520体を分身を成功させ終えた。


 ほんの少し成功率が上がり始めたため、残り時間が短縮され9時間ほどになったが体と血液はそれまで持つのかどうか不安になりつつも俺は作業を続行した。


「レイル」

 

 マリー母さんは優しく俺の手を握ってくれた。


 9時間がたち、いよいよ肉体改造の分身を作るのが終わろうとしていた。


 そのころには俺の体はさらに悪化していて、血管が浮き上がりところどころ破裂し、血が皮膚から出ていたり、痣がなぜか出来上がったり、体の隅々までボロボロで心も体力も疲弊している状態だが、何とか成功した。


 かなり疲れた。さすがに眠いな。


 俺は上半身を起こして見ると、手が握られていた。俺は手の先を見てみると、マリー母さんが横で寝ていた。


 手を握ってくれていたのか、気づかなかったな。悪いことをしたな。とりあえずこの大量の血を洗い落としに行くか。

 

 俺は気で少し体を再生させて血を垂らしながら、マリー母さんから手をそっと放し立ち上がる。体の節々が痛たむが上着を羽織り、家にある大浴場に向かった。


 廊下を壁に手を付きながら歩き大浴場に着いた。まだ浴槽には湯気が立っており、お湯は抜かれていないようだ俺は服を脱がずにそのまま入った。


「ふー、傷口に染みる」


 傷だらけの体でそのままお湯に入る。ものすごく痛いがすべての疲れが、取れる感じと生きている感じがして気持ちよくなってきたが、それを出血やら吐血やらが邪魔をする。湯船がだんだん赤色に染まっていく。


 早く完全に、止血しないとな。俺は血を止めて落ち着いて血まみれのお風呂を堪能していた。


「ふっふーん、おっふろーおっふろー。あれ、血の跡? 大丈夫ですか誰か入っているんですか」


 ずいぶんとお風呂を楽しみにしているレイアの鼻歌が脱衣所から聞こえてきて、血の跡を見つけて急いで、風呂に向かってくる音が聞こえてきた。


「おはようレイア」


「なっ、レイル様何をしているんですか。お身体は大丈夫ですか」


「ちょっと汚れを落とそうと思って、体は大丈夫だよ」


 俺はレイアに挨拶をして、ごまかしてみたりした。レイアが俺に何をしているか聞いてきたので、両方をこたえておいた。


「血、出てますけど」


「大丈夫、体についていた血だから」


 湯船が赤く染まっているのを見て、突っ込んできたが俺は何ともない感じに答えてみた。


 まぁ、さっきもそうだけど血は分身が血液パック代わりになっているので、大量に出血していても見た目ほど問題ないからね。


「上がってください。レイル様は怪我人なのですから部屋に戻りますよ」


 俺はお風呂から上がらされて脱衣所に連れられすぐに着替えさせられて、手当てをされた後にレイアに手を引かれて俺の部屋まで戻された。


「レイア、お風呂入ったら? じゃ、また寝るからおやすみ」


「いえ、私はレイル様が、抜け出さない様に見張っておきますので朝になるまでそばにいます。おやすみなさいませ」


 信用ならないのか、俺の見張りを役をするみたいだな。そばにいると言った時は驚いたが、まぁ仕方たないかまだ1歳だしね。


「ちゃんと寝てくださいね」


「うん」


 俺が驚いたような反応をしたためか。もう一度、俺に注意を促してきた。そんなに信用ならないかねと思いながら今日は本当に疲れているので、久々に本体が深い眠りに入った。


 意識は肉体性能の確認のため地下に移してはいる。


「レイアおはよう」


「おはようございます。マリー様」


「あら、服についていた血がなくなっているわ。熱も下がっているみたいだし、顔色もよくなって、昨日あんなに大変だったのに何で? 治ったってことで、いいのよね」


「はい。一応薬師のカオロを呼んできますね」


 血まみれの姿だった俺はマリー母さんが起きた時にはきれいに血がなくなっていたので、俺に触れて熱を確認した。


「グイード、ヒールもお願い無事でよかったわ、レイル」


 寝ている俺に抱き着きながら、うれしさを表現していた。



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