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第十話 朝のエリザ姉

「レイル様。起きてください朝食の時間です」


「おはようレイア」


「おはようございます。レイル様」


 ちょうどいいとこで起こされてしまった。けっこう集中していたな。あそこの水中生物たちが気になっているがそろそろ地上では朝食の時間いったんこちらに集中するか。


 一応今は東と西と地中の分身それぞれ一人に感覚共有を発動した。何か面白いことがあったりしたらすぐにわかるようにするために発動した。


 最近訓練の成果もあって20人同時に自分の意志で操れるようにはなってはいるが、とりあえずはその3人に常時発動するようにした。これで何かあったときはすぐに対応できる。


「レイル様。お食事をお持ちしました」


「ありがとうレイア」


 大抵いつも朝はこんな感じで始まる。家が貴族であるため食事は自分の部屋に運ばれてくる。


 なんという贅沢。いい気分になれるな。


 今日も図書室に行って調べるか。


 最近マリー母さんも、レイアも俺がほぼ毎日図書室に行っているので、もう何も言わないでも行く場所がわかっているため。許可が無くても行動できるようになってきた。


 図書室に行くため廊下に出るとエリザ姉と出くわしてしまう。ロベルト兄が捕まっている。


 かわいそうに。


 このエリザ姉は最近より活発度が上がってきてマリー母さんとロマーノ父さんたちは手を焼いているが、最近はマリー母さんに憧れて剣の稽古をしたいと言いだして、家の中にいる女性騎士と庭で訓練しているが今のところ、やんちゃなところは治っていないようだ。


 むしろ周りを巻き込む癖がついてきているようだ。


「レイル、剣の稽古をしようよ」


「……」


「いいよ」


 エリザ姉の誘いがあった。


 俺はその誘いに乗らざる負えない、エリサの誘いを断っても永遠に誘いに来るからだ。


 そのしつこさは5時間くらい続いたこともあった。マリー母さんが助けてくれないとほぼ逃れることができない。よって答えは一つしかなかった。仕方ない。


 マリー母さんは毎朝庭で訓練をしているのでエリザ姉は、その隣でやるつもりだろう。そのまま俺は、エリザ姉に手を引っ張られながら廊下を走って、中央階段を下り女性騎士たちが訓練している家の近くの訓練場まで、連れてこられた。


 訓練場にはペルナ姉もいた。


 ペルナ姉は何でも積極的にやりたがる子みたいで、エリザ姉の頼み事もそんなに断らない優しい子だ。


 俺と一緒に掴まれてきているロベルト兄は、普段絵本とか読んでいておとなしい性格だ。


「マリー母さん。レイルとロベルトが一緒に稽古したいって、言ってたよ」


「あら、じゃ一緒にやる? 」


エリザ姉は強引に俺たちが訓練を喜んでやりたいって言ってたよと言った風な顔で、マリー母さんに伝えた。


 マリー母さんは訓練参加を誘ってきた。ほぼまじめではなく子供の遊び程度だと思っているみたいだな。


「やるー」


「「……」」


 元気のいい返事で一人だけ答えた。俺たちはエリザ姉に連れてこられたので、優しいペルナ姉以外乗り気ではないため無言である。この返事とともに練習用の木剣を持ってきて一本ずつ渡してくれた。


「この木剣で私たちの訓練を真似したりしてみてね」


 自由にさせてくれるみたいだ。まだ、騎士たちと同じ訓練するには早いと思ったのだろう。そのまま訓練が始まった。最初はみんなで声を出して素振りをした。


「ハッ」


「「ハッ」」


 マリー母さんが剣を振り下すとともに気合の声を入れた。それに続くように他の女騎士たちも同じように気合の声を入れた。俺たちもそれに続いた。


「「「ハッ」」」


 みんな一応言っているみたいだ。


 しばらく10回くらい素振りをすると、ロベルト兄が早々にダウンし始めてきていた。仕方ないよね。子供だしペルナ姉も20回超えるあたりから、きつくなってきている。エリザ姉はぴんぴんしていて、元気いっぱいだ。


 俺は地下室の訓練に比べればたいしたことないし柄が握りやすい地下室の剣は形を整えただけで、表面はざらざらしている岩みたいなもののため、最初のころは何回も振っているうちに重さもあって、手が血だらけになっていることがあるからな。


 それでも最近は手が進化して固くなり問題がなくなって、気にしてなくなっていたが今日素振りをしていて柄がすごく握りやすく感動して思い出していた。


 50回くらい振っただろうか、ロベルト兄とペルナ姉は素振りをやめて休憩し始めた。エリザ姉はまだまだ元気いっぱいで元気そうだ。


 俺もこの柄の感覚に興奮していて、きっちり素振りをちゃんと騎士たちと同じ回数やってしまっている。素振りは300回程度で終わった。


 そのころにはロベルト兄とペルナ姉は飽きたのか二人で遊んでいた。エリザ姉は少し汗をかき、素振りを終えて他の騎士たちと同じく休憩し始めた。


 俺はそのまま素振りを続行し続ける。この柄にものすごく感動している。これがちゃんとした柄かまず持っても痛くない、振っても痛くない、我慢しなくても痛くない、出っ張った石が突き刺さらない、表面がざらざらしていない。すごく振りやすい。素振りが止まられないな。


「レイルもう終わりよ」


「あっ、うん」


 マリー母さんが俺の肩に手を当てて素振りが終わったことを伝えてきた。


 俺は素振りを終えてうれしすぎて素振りを夢中になって続けていたことに後悔した。

 

 しまったーやりすぎた。大丈夫かな。


「レイルすごいわね。最後まで素振りができるなんて」


「私もできたよ。私も」


「エリザもよくできたね」


 俺がマリー母さんに撫でられ褒められているとエリザ姉も撫でられたいのか、頭を向けて私もできたよとマリー母さんにアピールして無理やり撫でてもらっていた。


 休憩が終わり女性騎士たちが、みんなバラバラに散らばって一対一の模擬戦を始めた。木剣と木剣が打ち合う音が無数に聞こえ始めた。


 俺たちもそれと同じようにそれぞれパートナーを組み模擬戦を始めた。俺は最初一番厄介な、エリザ姉と組むことになった。ペルナ姉とロベルト兄は、しゃべりながら仲良くやっていた。


「レイル、広いところでやろうよ」


「うん」


 エリザの後についていった。乱戦になっているところを避けて広いところに出た。


「行くよ。レイル」


 エリザ姉が縦に木剣を振り下してきた。


 このまま振り下しきる前に弾き返したり、躱したり、受け止めたりしてもいいのだがそれだと年が離れているのに天才エリザ姉と同じくらいの力が出せてしまうと疑われる可能性が上がると思うから、俺はその振り下されながら迫りくる木剣を真上に木剣を構えて当て、木剣を滑らすように左にいなして、木剣をそらして躱した。すぐさまエリザ姉は突きを繰り出してきた。


 その直線で来る木剣の突きを木剣で横から叩いて逸らし躱す。


 横からくる。木剣を上半身を低くして、木剣を当てて上に滑らすようにそらして躱し、下半身を狙った攻撃は地面に木剣を突き刺し立ててガードして、一瞬で横に離れて躱した。


 俺はこれを終わるまで永遠と繰り返した。そのあとも、エリザ姉はそれでも攻め続けたが10分間が経過して一回目の模擬戦は引きを分けで終わった。


「レイル、すごいよ。私の攻撃を全部防ぎきるなんてロベルトもペルナもできなかったのに。もう一回やらない? 」


 何か、独り言を言っているエリザ姉が最後なんか言っていたが、俺は聞こえない振りをして模擬戦の相手を変えるためエリザ姉から離れてロベルト兄とペルナ姉のもとに向かった。


「レイル、やろう」


「うん」


「あっ、取られた。仕方ない私はエルザ姉とか」


 ロベルト兄が積極的に誘ってきた。


 たぶんエルザ姉とやりたくないんだろうな。エリザ姉は手加減しないし、俺まだ一歳になっていないのに本気で来ていたからな。ペルナ姉が少し嫌がりながらも、エリザ姉のところに向かっていった。大変そうだ。


 模擬戦が始まった。


 ロベルト兄は普通の子供らしい動きだったので、俺もそれに合わせて頑張った。のんびりと戦い俺は受け止めたり普通に躱したりして、対処して模擬戦が終了した。


 模擬戦中にロベルト兄は覚悟したような顔つきになり、次の対戦相手で頭がいっぱいであったようだけどね。


 途中でエルザ姉とペルナ姉の模擬戦を見た。ペルナ姉が何回か防ぎきっていたが、やはりダメだったみたいだ。


「ペルナ姉。大丈夫? 」


「心配してくれてありがとう。でも大丈夫」


「それならよかった」


 交代になりペルナ姉と今度は組むことになった。会話をしていても優しさがにじみ出てきているね。ペルナ姉は、この兄弟の中で一番いい印象があって好きだ。


「エルザ姉お手柔らかに」


「わかった」


 模擬戦が始まり、ロベルト兄とエルザ姉の試合を見るとちょっと命乞いをしたロベルト兄だが、そんなことはおかまえなしにエルザ姉は一撃でロベルト兄の防御を破り、ロベルト兄はフルボッコにされていた。


 痛そうだな。


「ペルナ姉、休もう無理しちゃだめだよ。次の模擬戦でやろう」


「わかったよ。レイル、次でやろう」


 俺はペルナ姉が無理しているのがわかっているし、頑張っていって優しい子なので休ませてあげる。どうやら休憩してくれるようだ。


 次が最後の模擬戦となり俺はペルナ姉とそのまま組み続けた。


 結果ロベルト兄とエリザ姉もそのまま続けることになった。ロベルト兄はこの世の終わりみたいな絶望した顔をしていた。


 これを見こしてペルナ姉を休ませた。うん、面白いな。


 ペルナ姉はロベルトよりは強くバランスが整った戦い方をしてきた。ペルナ姉はまじめに動きの整ったちゃんとした戦い方をしてきたので、俺もそれに合わせてやり切った。一番、内容がある模擬戦だったと思う。この年にしてはしっかりしているな。


「レイルはすごいね。ちゃんと戦いができているよ」


「ありがとう。ペルナ姉もすごいと思うよ」


 お互いが褒め合っていい雰囲気で終われた。気持ちのいい訓練だな。ロベルト兄は地面に寝ているがまぁ、ほっとくか。


「レイル、今日の朝練どうだった」


「面白かったよ」


 朝練が終わりみんなは部屋に戻っていった。ロベルト兄はマリー母さんにおんぶされて部屋に帰っていった。息抜きにたまに朝練に行くのもいいかなと思いながら、俺は部屋に帰っていった。


 図書館に行こうとしたが今は地底のほうが気になっているので続きの調査をしに行くかな。

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