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村人Aになりました

「へぇ、Aはプレイヤーだったのか」

 オレの盛大な独り言に相槌をうったこの男は、祠堂ゼンと言うらしい。オレが村人Aであるのに対して随分と立派な名前を持っているだけではなく、見た目もどこのアイドルですかと言いたくなるほどのイケメンだ。滅べ。

「ゼンもプレイヤーだったのか?」

 当然内心などおくびにも出さず、話を続ける。だってこんなわけのわからない世界で一人きりなんて絶対に嫌だ。仲間が欲しい!


 オレが目を覚ましたのは、見知らぬベットの上だった。しかし見知らぬ場所であるにもかかわらず見覚えがあるような妙な感じがした。ついでに聞き覚えのあるBGMも流れていた。

 BGMなんてものが流れている時点でおかしいと気づきそうなものだが、その時オレは寝起きで頭が全くまわってなかったのだから仕方がない。これがデジャヴってやつか、とぼーっとする頭でのんきに考えていたら、そこにやってきたのがゼンだった。

「やあ、気分はどう?」

 突然見知らぬイケメンが寝室に入ってきて、さわやかにそんな質問をされれば、いくら寝起きだからと言っても飛び起きるだろう。唸れ、オレの防衛本能!

「ぎゃーーー! 強姦魔―――!!」

 オレは力の限り叫んだ。

「うるせぇ、黙れ」

 しかしイケメンの気分を害しただけだった。気分を害したイケメンの突然の暴力により、再びオレの意識はブラックアウトした。


オレが目を覚ましたのは、見知らぬベットの上だった。しかし見知らぬ場所であるにもかかわらず見覚えがあるような妙な感じがした。ついでに聞き覚えのあるBGMも流れていた。

 BGMなんてものが流れている時点でおかしいと気づきそうなものだが、その時オレは寝起きで頭が全くまわってなかったのだから仕方がない。これがデジャヴってやつか、とぼーっとする頭で考えたところで、何かがおかしいと気づく。

 あれ、これ二回目じゃね?

「やっと起きたか、気分はどうだ?」

 ですよねー!

 デジャヴなんかではなく、確かについ先ほど聞いた声が真横から聞こえた。やっと起きたかって、まるでオレが悪いみたいだけど、明らかにお前のせいだよね?

「えーっと、どちら様でしょう?」

 先ほどのことを思い出したオレは、相手を刺激しないよう慎重に質問した。オレは学習する男だ。

「ああ、そうだよな。俺は祠堂ゼン。お前の同居人だ」

 シドウゼン……やはり聞き覚えはない。しかも同居人だと?

「そしてお前は今日から村人Aとして、ここセカンドシティで暮らすことになったらしいから。わからないことがあったら俺に聞け」

 オレはその意味の分からない話に一瞬固まるが、徐々にオレの優秀な脳みそが言われた言葉を理解した。理解したが、ちょっと待て、猛烈に嫌な予感がする。

 最初からどこか見覚えのあると思っていた場所、鳴り止まない聞き覚えのあるBGM、セカンドシティという安直すぎる名前、そして、村人A。

 オレの中でそれらが合わさって、ある一つの答えを導き出した。

「はぁぁぁぁぁ!!???」

 そのあんまりな答えに思わず大声をあげてしまい、再びイケメンに殴られたが、今度は気絶しなかった。いっそのこと気絶して全てなかったことにしてほしかった。そして話は冒頭に遡る。

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