思考少女は床の上 “殺意”
とてつもない殺意の衝動に駆られるときがある。憎くて悔しくて虚しくて。あいつを殺してやるんだ、と思ったことは何度もある。でもそんなこと出来なくて。自分の中に封じ込めて。何でそんなことを思ったのかを考える。誰かのせいにしないと感情の行き場がなくなる。でも他人ではいけない。また殺意の衝動に駆られてしまう。そこで私は、私を責める。仕方なかったなんて思えない。自分の能力不足。もっと私に伝える力があれば。気づく力があれば。無い物ねだりの終わりなき責め。いつしか殺意の衝動は自分に向いている。向けられているんだ。私はそれが怖くて、辛くて、悲しくて、虚しくて、なぜだか嬉しい。
でも結局死ぬことなんて出来なくて、ただただ時間が流れる。私はただただ流される。記憶が流れるまでただただ待つだけ。