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朽ちし縁
なんか あふれた
この繋がりを永遠と
望んだのはきっと 私だけ
思い出すのは 過去ばかり
耳に残るは 優しい声
目を閉じてはあの日々が 色鮮やかにそこにある
けれど
私にとっての優しい日々は
他にとっては価値のない日々
何もなかった 穏やかぎて 物足りない
日々の一場面でしかなかった それは日常の一場面
それ以上でも 以下でもなかった 刺激的とは程遠い
でも
私は 幸せだった
あの呼び名の場所で 誰もが通う公共の場
穏やかに笑って その表情はきっとわからなかっただろうけど
誰かの隣に入れたこと それは別に特別なことではなかったけど
誰かと共に過ごしたこと 『当たり前』なんかじゃなかったから
誰かが私に起きたことを我が事のように喜んでくれたこと
嬉しくて 涙が出そうだった
他人との別れを初めて惜しんだこと
死別とは違う別れに生じた感情に自分が振り回された
ありがとう これはきっと今までの感謝
ありがとう あの日に言えなかった感謝
ありがとう とても幸せな絆だった
さようなら
それでもまだ 切れた縁を見つめてる
役目を果たしたお守りを捨てられないのと同じように 共に過ごした時間が愛おしすぎた




