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思い出が 今に

文章になっていないかもしれません。

でも、今日中に形にしておきたかったので。

あの日々を あの味を あの瞬間を

私は一生 忘れない


写真に収められた思い出と共に 動くことのなかった時間

止まったまま 美化されて

そのまま在り続けると思ってしまうのは

きっとある種の 驕りだった



あの夏に味わった魚の塩焼きの味は

これまで食べたどの料理にだって 負けたことがなかった


釣りをすることが楽しくて

焼かれる工程すら 飽きることなく眺めて

美味しくて 楽しくて

時には ちょっとしたハプニングもあったけど

それすら キラキラ輝いて見えた



旅先で 汗だらけになって入った温泉は

お湯の感触も色合いも 全然違うことが楽しかった


熱くて入れなかったこと 滑って転んだこと

お湯の色さえ面白がってた

お風呂上がりの休憩所 畳の気持ちよさ

全部 全部 覚えてる



底まで透き通って見える綺麗な川

暗くて怖かった夜の道

青々とした畑の空気

道すがら絶対に通らなきゃいけなかった ぼろい大橋


早朝から叩き起こされた鶏の声

昼夜問わずに聞こえた蛙の合唱と蝉しぐれ

ジュウジュウと音をたてる鉄板を囲んで 深夜まで騒ぎ続けた酒盛りの音


蒸し暑い夏 草の匂い

煙草の煙 雑草を燃す炎

お酒の匂いと 並んだ料理の懐かしい香り


全部 宝物だった

年に一度だけの 特別な場所



だけど

たくさんのものは なくなっていた



思い出の釣堀も 喧しかった鶏小屋も池も

好きだった畑も 怖かった夜の道も

炭火の匂いも あの酒盛りも そこにはない


写真の中にある 笑顔のまま 時を止めた光景

自分が自分じゃないみたいな笑顔

今からは想像できない私が そこに居た


届かない もう二度と

戻れない あの日々に

取り返せない 時間の空虚を

あの日のように笑うことも

あの頃のような無邪気さも

全部なくしてしまった私が立ち尽くす


虚しさ と 悲しさ

寂しさ と 言葉に出来ない多くを抱えて

自分自身も その人も

『大切な誰か』から

『知らない何か』に変わってしまった事実を目の当たりにして

多すぎる変化に 疲れてしまった


全てが過去形で

現在をも続くと思って 期待して

現実を知って 勝手に悲しむ

これはそう ただそれだけの話






少し、疲れました。


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