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後悔

誰のための 何のための後悔なのか

それがあったか なかったのか

真実を知るのは 私だけ 

覚えていますか?

この心と 優しさを あなたがくれたんです

一人だけ

ずっと ずっと泣いていた私に

あなたが手を伸ばしてくれた

たったそれだけで

私のちいさな世界は 光に満ちたんです


『ありがとう』

そんな言葉すら形に出来なくて

でも 私は

あの日できた精一杯の笑顔を あなたに向けていました



私とあなたは同じだけれど けして同じではなくて

あなたの心の在り様が

あなたの前を向く姿勢が

あなたの諦めないところが 私にはとても羨ましかった

眩しくて でも 目が逸らせなくて

温かい光を ずっと見ていたかった


でも 私は気づいてしまった


あなたの諦めない姿を見ていた人たちの視線の変化を

あなたが持っている魅力を 他の人が気づくことを


あなたの手を離したのは きっと私からでした

あなたの笑顔が 好きでした

あなたの幸せな姿を見るのが 大好きでした

でもきっと

それは私と一緒に居たら 曇ってしまうから

周りの人たちはきっと あなたと居たいだけだから

そこに私は いらないから

あれはきっと ただの自己満足

これはきっと 自己擁護

それはきっと ただの逃げ

そしてきっと 輪へと入れたあなたへのほんの少しの嫉妬


それでも あなたのことを好きでした

友達として 恩人として 憧れる人として

言葉じゃいい表せないほどの ひとときの幸せをくれた人として



それから どれほどの時間が経ったでしょう

思い出が色褪せ 過去というには十分な時間が流れて

それでも私は あなたを気にかけて

あなたの周りには 相変わらず人が居て

あなたが笑う姿に 安心して通り過ぎるだけの日々がそこにはありました


でも いつからでしょう

あなたの笑顔が 苦しそうに見えるようになったのは

あなたの行動に 違和感を覚えるようになったのは

あなたの周りの空気が 不穏になっていってしまったのは


『大丈夫?』

そんな一言も 私は声をかけることが出来なくて


『無理しないで』

たったそれだけでも 声に出来たなら

何かが変わっていたんですか?


私だけでなく 周囲の空気すらざわついて

あなたから周りと距離をとって

あなたが居ない日々を 不安に思って


そして あなたは突然消えてしまった


あまりにも突然すぎることに

あなたを想って泣く友人を受け止めることしか 私には出来なくて

あなたがくれたような 温かい言葉をかけることも出来なかった



あなたが居ない 誰かが居ない それに慣れていく日々

教師の誰もが詳細を語ることなく 関わることすら禁じるように

連絡も取れず 何も出来ない日々

はてには

あなたにしてもらったことを忘れるかのように悪く言う者すら現れ

私はそっと拳を握りしめていた


あなたの弱音を知ろうとしていたら

あなたが頼れるような場になれていたのなら

私がもし 話だけでも聞けていたのなら

あなたは一人で抱えることはなかったのですか?


『後』に『悔やむ』ことが『後悔』

そして 次を変えることに意味があるという


でも私は

他の誰でもなく あなたを守りたかった

あなたを支えたかった

あなたの弱音を 聞きたかった



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