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ある日 悲しい夢を見た

せつなく 悲しい 報われることのない

けれど

そこには確かな思いがあり 絆があり

愛があった


夢の中

『私』が一人の女の子と笑い合っていた

幸せで 笑顔に溢れ 触れ合う感触すらあるように錯覚する

けれど 彼女は人ではなく アンドロイド

『私』に真剣な表情で告げてくる彼女の眼は

不安や悲しみを隠しきれていなかった

「だから、何?」

そう告げ 彼女を抱きしめる

話し 笑い 触れ合い 大切だと感じた

そこに彼女が何者であるかも 人であることの有無すら関係ない

彼女が彼女であったこと

それだけが確かなら どうでもよかった


場面は突然切り替わる


何かに襲撃され 彼女を遠ざけられる

『人でないから 壊してもいい』

そんな考えが透けて見え 傷つけようとする研究者たちへと掴みかかっていった

彼女が何かを叫んで 何人かに押さえつけられても

夢の中の『私』は止まらずに 無力であっても怒りをぶつけていた



包帯を巻かれた腕と 横にされた体

どこかの一室であろうその部屋に 訪れたのは彼女だった

悲しそうにこちらを見て 強がって起き上がる『私』

「私ね もうすぐ壊れちゃう」

伝えられたのはそんな現実で

少しずつ記憶を失い 動けなくなっていくことを教えられた

彼女は泣き 『私』は泣かず

ヒーローではない『私』なりに 既に結論を出していた


共に生き 死ぬこと叶わずとも

思いを留め 記憶に焼き付け 彼女の最期を忘れない

握った手と そこにいる『私』が選んだことを

私は 傍観者のように眺めつづけた


彼女の記憶は欠けていき 幼くなっていく表情

それでも『私』は彼女に笑顔を向け 傍を離れることはなかった

「あなたは誰ですか?」

不思議そうな顔をして 首を傾げた彼女に

『私』は一体 どんな表情をして名乗ったのだろう

それが最期の日だと知っていても 自分を忘れてしまった彼女

けれど 変わらない笑顔を見つめて

最期まで傍に居ることを貫いた



長い 長い夢の中

そこに確かな愛があり けれど残酷な現実もあり

ヒーローになれない者が選んだ道があった

力もなく 諦めたといってもいいその行動が正しかったかなど

もはや誰にも わからない

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