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軋む


キシッ


始まりは小さな音だった

あまりにも小さなその音に私は最初 気づくことはなかった



キシッ キシッ


音は少しずつ大きくなっていく

大丈夫 大丈夫 私は強い

呪文のように自分に言い聞かせ 私はその音から目を背けた



ギシッ


軋む音は大きくなるばかり

その顔からいつしか表情は消えていた

笑っている筈なのに 顔が動かない

楽しい筈なのに そう見えない



『怒っているの?』

怒ってない


『楽しくない?』

楽しいと思ってる


『男の子?』

いいえ 残念ながら


『友達だって、どうせ一生一緒にはいられないのよ』

『冷たいなぁ』

『合格しなければよかったのに』

『アイツは何にもしない いつも俺に押し付けてばっかり』


傷が私を壊していく

何かが激しくゆれて 乱れて 崩れていく



壊れてしまえ

早く 速く 壊れてくれ


粉々に壊れて 何も感じることがないのならば

それはどんなに幸福か

この痛みがなくなるのなら いっそ 全てを忘れてもかまわないから



ギシッ ギシッ


軋む音が聞こえる

相変わらず 大きな嫌な音


でも 自分が一人じゃないことを知った

それは家族ではない

今は近くにいない

もう数年会ってもいない

だけど 自分で築いたものだった

やっと 大丈夫だと思ったのに


今はダメだと叫んでも

もう全てが手遅れで

何かが壊れていく

かつて望んだあの日 壊れることはなかったというのに

今になって

私の体と心は耐えられくなっていた



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