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その時の郁人
郁人は女子軍をなだめている。
恋がいないときに。
「上星がほうきを折っていた?」
「そうなの。学校中のヤツをね・・・・」
「昨日は柴田たちと一日中一緒なのはちゃんと見たけど、俺」
「でもね、私もちゃんと見たの。」
女子軍のリーダーは、抵抗するがさがらない。
このまま柴田が戻ってこなければいいんだが―・・・・
「郁人っ!」
「・・・・し、柴田!?」
リアルに同様してしまった。
「やっぱり、ちゃんと向き合おうと思う」
「は?喧嘩で解決しないこともあるだろ」
「それでも私は理解できるまでねばるんだから」
恋は郁人の前を堂々通り過ぎた。
本気かこいつ・・・
机の上に座ったまま、恋の髪を不意に掴んでいた。
春の風は2人の狭間をゆっくりと流れていった。
続く