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柿色のセカイ  作者: 萩乃
44/45

重なり

「うわっ!柴田お前あっちぃなぁ!花火したことねぇのかよ!」





「え」





「・・・」





「ない」





「はぁっ!?」





夕方の食事後、浜辺で花火をした。





「だって、花火するような人いなかったし」





「・・・・」





嫌な空気になった。





どうやって取り替えそう。





「んじゃ、これがお前初の友達との花火だ」





郁人はそう言って笑った。





他のみんなも笑っている。





良かった。





花火





本当に初めてだよ。





うれしい





花火を始めて体験できたこともそうだけど、





初めての花火をこの友達たちで出来たってこと。





雄太くん





うぇぼしー





あすの





真白





   そして





郁人





うれしいな。





うれしい。





自然とうれしさが込みあがってくるけど、





それを表情に出したら私の負け。





そう考える自分がいるんです。





だから、





出さないでいよう。























夜になった。





まだ10時。





真白は「早く寝ないと体に悪いのよ」そう馬鹿天然なことを言って布団に入った。





うぇぼしーは、みんなが寝るまで寝ないと言っている。





あすのはそれに賛成したが、11時頃に寝てしまいそうな顔だ。





「うぇぼしー」





あすのがゲームをしているうぇぼしーの服の袖を引っ張っている。





なんだ?トイレに行けないから付いて来てみたいな魂胆か?





「トイレに行けないから付いて来て」





「ぶっ!!!」





おっと!噴出しちゃった。予想的中しすぎ。





「なに、怖いん?」





「・・・うん」





「・・・分かった。恋、付いて来る?」





「うーん、調度外に出る機会できたし、別のとこ出かけるよ」





「そう、んじゃ、あすのに付き合ってくるわ」





「おっけー」





その声と共に部屋を出て、海で1人になった。





少し花火のにおいが残っているように感じれた。





「涼しい・・・」





夏なのに、夜の海はとても涼しい、気候は別の世界のよだ。





浜辺の前のイスに腰掛けようと、少し離れた場まで歩いた。





それと共に、別方向から足音が近付いてくる。





見知らぬおっさんだろう・・・だよね





考えながらベンチに触れて座った。





足音は





止まった。





真横で





止まった。





『よいしょ』





隣の人物と声が重なった。





『え』





また重なった。





だ、だれ・・・・





『うぎゃぁぁぁっ!!!!!』





かかか重なったぁぁぁぁぁぁ





じゃなくて・・・





「郁人!?」





「え、お前柴田!?」





「え・・・って、おどかすのやめてよね!」





「それはこっちのセリフ!いるなら言え!なんでいるんだよ!」





「言うって今!?ハイハイいますよ!てか郁人いるって知らなかったし!怖くて振り向けなかったもん!」





「なんだその態度!俺も違和感感じてお前見なかったんだよ!そしたらここに座りやがって・・・」





喧嘩がたえない。





だから諦めて言い返してやらなかった。





「ま、いいや、座ろーぜ」





「・・・うん」





長いベンチだったから、大分距離を置いた。





意識したんだと思う。





「お前、ここへ何しに来たんだ?」





「暇になって来た。」





「へー、俺は、雄太が先に寝やがったから、涼みに来た。」





「ふーん」





風にあたりながら上を見上げた。





話題を探すけど、見当たらない。





「好き・・・」





ふとその言葉が自分から出た。





「はっ?」





郁人が驚いた顔で私を見つめる。





「好き・・・」





「???」





「好きな食べ物は・・・?」





恋を上を見上げたまま、顔を赤らめた。





「なっ・・・」





「どう?」





郁人が少しかがんで考えている。





「一番がー、牛タン」





郁人が1人でに話し始めた。





「マジか、おいしいよね」





「二番がー、チョコソフト」





「うん、私も2番」





「三番がー、ミカン」





「爪黄色くなるよ」





「嫌いな食べ物は茹でたエビ」





「えー」





「好きな音楽は女性JーPOP」





「意外っ」





クスリと笑えた。





「好きな色は青」





「うん」





「得意なスポーツはバスケ」





「知ってる」





「座右の銘は、一日一膳」





「私も一緒だ!」





「誕生日は9月の9日」





「9,9?」





「星座は獅子座」





「一緒」





「年は17歳の高2、C組」





「一緒だってば」





これはまた笑えた。





「好きな女の子はー・・・」





そこでピクリと体が反応した。





なんでそんなこと言うの?





あ、言わないで欲しい。





「っそれはー・・・っ」





恋が止めようとしたときだ。





「今、一番近いところにいるけど、位置としてはちょっと遠い人。」





な、なにそれ・・・





「今日はここまでだな。また明日」





「え、ま、ちょっと待ってよ」





「早く寝ろよ~」





















え―――――――――!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?


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