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柿色のセカイ  作者: 萩乃
33/45

誘拐

誘拐されたあああああ

「恋」「れんっこ?」「恋?」





この言葉を一斉に浴びせられる。





正直聞き取りにくい。





「なに頭抱えてんの」




「わはは、キモーい」





「何かあったでしょ。」





放課後みんなで帰ることになった恋。の、横に、うぇぼしーとあすのと真白。





「抱えてないしー、キモくないしー、なんにもないしー」





「ウソつくの下手くそだなぁ。ばればれじゃーっ!」





「・・・真白・・・すっかり仲間入りしてるんですけど。それに、昔のキャラ今出しすぎ!」





「いいじゃん!私はいつもコレだよ!」





「私のイメージ的に、無口で可愛い女子ってかんじなんだけど」





「あすのもー!!」





どうやらみんな真白のことを第一印象で決めているようだ。





まぁ、私も初めは可愛らしくていい子と思っていた。





実際そうなんだけど。





意外と下品なところも。





「やっだな~、無口とかどこで付いたのよっ!このとうりだよっ!」





と、言って猫背の私の背を右手でバシバシ叩く。





その反動で、猫背から反り返る。





真白のイメージダウン。でしょ?





黙ってるよりも、ましって言ってくれる人が少ない。





「こんにちはー」





後から声をかけられた。





あれ、どこかで見た女子。





同じ制服。





あれ、





もしかして、





この人って、





郁人のことが好きなー・・・・





グッ!!





いきなり胸倉を掴まれた。横には数人の男。





そのまた横に、一台の黒い車。





なに――・・・?





「来い!!」





胸倉を掴んだ女子が目の前で叫んで車に連れ込む。





なにが起こってるの!?





その瞬間意識がとんだ。





薬のにおいでもかがされたんだろう。





「ちょ・・・、れ、恋!?」





「嫌だ、なに!?待ってよ!」





「や、なに・・・!?やめてよ!!」





「あすのちゃん!!」





真白があすのを引き止める。





「あすの!やめろ!」





うぇぼしーがあすのの手を掴む。





それを振り払う。





「れんっこ返せ!!」





車に乗り込む一人の男をあすのが蹴り飛ばす。





「・・・ってーなぁ!!!」





男があすののお腹を蹴った。





「・・・きゃっ・・・!」





「あすの!!」「あすのちゃん!?」





倒れこむあすのを真白が支える。




「善ちゃん、先生を呼んできて!あすのちゃんも動けないわ、早く!」





「わ、分かった!」





うぇぼしーが走って校門をくぐる。





「あすのちゃん!あすのちゃん!息できる!?」





「う・・・・ん・・・」





「よかった・・・・!」





「少し待ってね、先生もうすぐ来るから!」





真白は鞄から携帯を取り出して開く。





あて先










新山郁人。





「あ、郁人くん!?今学校!?」





『え、まぁそうだけど・・・』





「早く校門へ来て!!」





「え?あぁ、分かった・・」





「恋が・・・恋が・・・・・」





震えるか細い声で泣き崩れる。





『・・・恋?』





郁人が急に立ち止まる。





「恋が・・・・誘拐されたの・・・・・!!」





その時郁人の時間は止まった。


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