もう1度聞きます。
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文字の誤り等ございましたらなんなりとお申し付けお願いします!
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「ちょっと、女の子がそんな言葉遣いするのは許せないな。」
殴ろうとする手を掴んだのは、郁人だった。
「に、新山くんっ!?」
女子達が奇声をあげて驚いている。
「こっ、これは・・・、ただ・・・」
握り締めたこぶしを握られて、
衝撃的な瞬間を見られて、
言い訳と同様を繰り返して頭がパニック状態。
「ちょいと郁人君。ヒーローの登場が遅いんじゃないか?」
「いえいえ、ケガする前だから登場するだけ立派なヒーローですよ。」
「すでにヒーロー登場前にケガしてますけど。」
「えっ!?嘘!?悪い!」
ヒーローが頭の上で手を合わせている。
「ヒロインのケガとかありえなーい」
「すいません」
私と郁人の会話は一体絶対なんなんだ。
おっと、ますます恨まれるかな。
横の敵達に。
ま、なんとなく敵っぽい立場かしらー。
「柴田さんごめんねっ、今のただのジョークだからっ」
殴ろうとしていた本人がジョークだとか、うんたらかんたら。
「ジョークなんだ。そっかぁ、人にケガさせるジョークなんだぁ、すごいセンス悪いね。」
「お、ジョークなのか、ならまぁ良かったかの」
「帰りますか」
2人で中庭を後にする。
見えなくなった位置で、大きな舌打ちが聞こえた。
女のねたみは怖いな。
「郁人」
「ん」
「あの会話ずっと聞いてたっしょ」
「バレたか」
「あんないいタイミングで出てこれないし」
「まぁあれだ、どうやってお前が解決するか見てただけ。そんじゃ相手側から暴力振るうからさ、ちょっくら出てきたワケよ」
「顔面崩壊するよか、ましかな」
「ん!」
2人で大きくのびをする。
「せーのっ!」
ダッ!
渡り廊下を私と郁人で激走。昇降口まで競争だ。
当たり前に、男子相手勝てるわけもなく。
最後は見えなくなるくらいまで追いつけない。
「ドンマイっ!」
「一生かかって郁人には勝てないかも!」
「はははっ、かかってこーい!」
「望むところ!」
郁人の楽しそうな眼差しは熱かった。
梅雨明けの太陽は、こいつを照らす。
私と、学校と、疑問を。
もう一度心に問います。
私とあなたは、昔に一度会いましたか?