表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柿色のセカイ  作者: 萩乃
30/45

権利

「れーんれんれんれんれんれんっこぉ~!!」





「え」





「大変だぁ!!」





「え、何」





あすのの気持ち悪い名の呼び方に少し引く。





「コレコレ!大変だよ!」





「ごめん主語述べてくれる?」





右手を腰にあてて、左手を軽く挙手。そのままあすのが差し出す携帯に向かって体を乗り出した。





どうやら見せたいものは写真のようだ。





「見て!」





スマホじゃない携帯の画面を覗く。





「なに・・・これ・・・」





写真には、郁人と寄り添ってる写真・・・・・・・じゃ、なくて。





「2人でぬれてバスの入り口で手ぇ上げてる写真!」





は?なんで?





なんでこのそろって手ぇあげたキモい写真がうけんの?





はっ!





キモいからだ!!!





そろってるからキモいんだ!





「おっ、なになにー?」





その時郁人が恋の首に手を回す。





「えっ、撮られてんの?」





恋の頭にあごをのせる。





「撮られてるもクソも、なんでコレなの」





「さぁ、キモいからじゃね?」





「・・・・・・・・」





「・・・」





キモい・・・、と、うけるのか。

















「柴田さん」





放課後、別のクラすの女子達に声をかけられた。





「お話いい?」





「私?」





真ん中に立つ女子がコクりとうなずく。





「さき行ってるわ」





「昇降口でねー」





うぇぼしーとあすのが気を使って場を離れる。





この場合、使わないでくれるほうが嬉しい。





お話、ていうか、雰囲気が変だしね。

















人がなかなか入らない中庭に連れ込まれた。





「柴田さん、新山くんと仲良いの?」





「さぁね」





腕を組んで空を見上げる。





あぁ、面倒臭い。





「もうやめてくれない?仲良くするの。」





「なんで?」





「この子、新山くんが好きなの。邪魔しないで」





真ん中の女子が端っこにいる大人しめの子を連れ出す。





「邪魔?勝手にしとけばいいじゃん。私関係ないし」





「とにかく新山くんを取り入ろうとしてるかしらないけど、近付かないでよ」





「取り入る?っていうか、郁人どうこうは、君が動かす権利ないよね」





「・・・は?」





おっと、言いすぎたか?





だから女子は面倒くさい。





好きだろうが何だろうが、勝手にキャーキャー言っとけばいいのに。





「関係ないなら仲良くしないで」





「私は私のやりたいことをする。 じゃ」





そのまま中庭を去ろうとする。





頭に来ていた。





「おい」





その掛け声とともに、壁に叩きつけられる。





ドンッ!





「・・・なに?肩、痛いんだけど」





女子達をそのままにらみ付ける。





ちっ





心の中で舌打ち。





「調子のんのもいい加減にしろ!!」





真ん中の女子が大声をあげる。





「お前がいるからこいつは何も出来ないんだよ!とっとと消えろよ!」





大声は中庭にも校舎にも響く。





うるさい女だな。





ちょっくら言い返してやる。





「悪いけど、私がいろうがいまいが、その子が何も出来ないのは私のせいじゃない。自分が本気でやろうとしないから、こんな馬鹿集団に埋もれるんだよ。」





肩においている相手の手を思い切り振り払う。





「馬鹿集団だと?」





その瞬間、胸倉を掴まれる。





「お前、言葉に気をつけろよ!!!」





相手の右手が大きく振りかぶった。





殴られる!!





パンッ





大きな音が鳴る。





私は無傷。





「ちょっと、女の子がそんな言葉遣いするのは許せないな。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ