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柿色のセカイ  作者: 萩乃
3/45

再び

「えぇ~、みなさん。お久しぶりです。校長でーす。」





50余裕に超えたバーコードのおじさん。いや、校長。





厄介だ、話が長い。





始業式の中、恋は爪をイジくっていた。














「えーっと、し・・・し・・・柴田・・・恋ー。」





2年生のクラスが張り出されている板を指で追う。





「お、あった。」





『2年C組  柴田恋』





2Cか、そーいや階段上がったすぐそばが教室じゃん。ラッキー





友達いないまま教室入るのヤだなー。去年は真白がいたけど。





真白は2Cじゃないっぽいし。





ま、いいや。1人でも生きてける。





恋は教室に向かって階段を1つ飛ばしで上がった。





1度階段の踊場で立ち止まる。





疲れる・・・・・





家でぐーたらしてたら体力落ちたかも。





汗をぬぐっていると、





「わーパンツ見えるかもー」





「!?」





恋は思い切りスカートを下げた。





すごく短くしてたし。





誰だ。こんなことを言うヤツは。





階段の下をバっと見下ろした。





そこには昨日公園で出会った男。





うわ、また面倒くさい。





雄太くんとは正反対。ちょっとチャラいかも。





あぁ、見ていて分かる。髪染めてる。





少し茶色っぽくて、光に当たるとキレイだ。





って、おい。何考えてんの私っ!





「嘘うそ、見えてないよ。」





「うっとうしいなー。」





「そんなこと言わないでよー、悪いヤツじゃないからさっ」





「お先。」





無視をして階段を上る。





ほんっとなんなの。





ま、私は関係なくあいつとサヨナラをして、素晴らしいスクールライフを贈るのさ。





教室に入って自分の机を探し出し、鞄をドサっと置いた。





やっとの1息!と、思いきや。





「よー、お!お隣よろしいですかー。」





横を向けば、またあいつ・・・・・・





「なんで横にいんの。」





「だって席表見たらココなんだもー!」





「たまたまですねー。」





窓の外を眺めて言う。





と、そこへ映る女子。





黒髪のサバサバしたような女の子。





「なにー。」





わ、向こうから話しかけてきた。!





「え、えと、視界に移っただけだよ。」





「ははっ、何それっ」





女の子が笑った。お、結構キレイな人だな。





「あたし、柴田恋。れんって呼んでね。」





「おっけー、あたし上星善。よろしくー。」





「よろしく。」





ウエボシゼン・・・・カッコいい名前だなぁ。





ん?そういえば隣の男の名前知らないなぁ。





「ねぇねっ」





「え、なにー?」





笑顔で振り返る。





「名前なに?」





「俺?」





「うん」





「いやー嬉しいね、君から名前を聞いていただくなんて。」





「・・・・名前は」





「新山郁人~。いくとでいいよ。」





「へ~、『いくと』っていうんだ。いい名前だねっ」





「いやいや、ところで柴田さんはなんて呼べばいいの?」





「なんでも良いよ。」





「んじゃ適等に。うーん、じゃ、柴田って呼ぶわ。」





「分かった。」





「はははっ」





あれ、笑えば結構・・・・・なんていうか・・・格好いい?





いやいやいや! 何考えてる柴田!





何にドキドキしてるんだかだけど!しっかりしろっ!





ていうか・・・ほんと・・・・





恋は鏡を顔に近づけた。





ほんと・・・顔・・・赤いじゃん・・・





ま、赤いのは、風をひいてるからだけ・・・・・・・・・





ど・・・・





そこから記憶は途切れた。





あ、そっか、昨日ブラウスで風に当たってたからだ・・・





バタンと倒れたその後は、何か、優しい香りがした。



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