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柿色のセカイ  作者: 萩乃
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すれ違い

「真白・・・・」





体操服姿でうつむいている真白。





「恋・・・ちょっとでいいからさ」





情けなさそうな笑顔で頭をかく。





「いいのか?」





郁人が私を不安そうに見てくる。





「行く」





「え」





ベットから立ち上がってドアの方に向かう。





それにつられて郁人と雄太くんが立ち上がる。





「中庭に行こうか。」





真白が声をかける。




















「さむっ」





さすがに朝の5時は寒い。





遠いながら向かい合っているベンチに腰をかける。





「どうしてもこの合宿中に話をしておきたくて」





手遊びをしながら笑顔を私に向けた。





「話ってなに?」





少し冷たく真白をみつめた。ごめん。





「1年のときさぁ、恋と私仲良かったよね」





「・・・うん」





「何か・・・勘違いしてない?」





「え?」





ベンチの横の雑草を風が吹きぬけていく。





まゆをひそめた真白の表情には、申し訳なさそうなニヤつきがあった。





複雑





その言葉が頭をよぎる。





「なにが?」





「恋は・・・」





郁人と雄太の目線により、言葉を詰まらせる。





「恋は、私と・・・」





また言葉を詰まらせる。





「雄太くんは少しだけ席はずしてもらえるかな?」





「・・・分かった」





雄太くんはポケットに手を入れて合宿舎に戻っていく。





それと同時に真白が話を進める。





「恋は、私と雄太くんが付き合ってたと思ってるの?」





「え・・・?」





突然の質問に目を丸くする。





「思ってた?」





真白が真剣な顔で迫ってくる。





まるで私がただの勘違いをしている馬鹿みたいに。





「思ってたよ」





寒いからだろうか?





冷や汗をかく。





「それ、間違ってるの」





「間違う?」





郁人と私がふと顔をあげる。





「付き合ってもないし、恋と会うまで話もしたことなかった。」





真白はいままでみたいに明るい子にみえなくなった。





すごく真剣だ。





「あのねー・・・」





私の勘違いした過去が、今、明かされてしまうー・・・



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