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柿色のセカイ  作者: 萩乃
22/45

肌寒さ

「雄太ってさぁ・・・」





ポッキーを口にくわえて言葉を発す。





「彼女いんの?」





郁人の思いがけない発言に、雄太くんが思い切り噴出す。





「んなっ!なんだよ急に」





「おぉっ!その反応は!?」





両手を銃の形にして、雄太に勢い良く向ける。





「いないよ」





「はぁっ!?」





嘘つくな。という顔で笑顔になる。





「いない。昔からね」





「嘘つくなよ。実はいるだろ?隠すなよ」





「いないって。これ、ガチ」





雄太くんの、嘘などないという表情。





「あ、なんかガチかも」





郁人が驚く。それはそうだろう。嘘をついているように、全く見えないから。





「2人とも。うるさいんだけど。今何時だとおもってんの?」





『え?』





郁人と雄太の合わさった声は、窓の上の時計に向けられた。





深夜2時。電気付けたまま。消灯時間から4時間過ぎ去っている。





「うわっ、わりぃ!そりゃうるさいなっ!」





「ごめん、眠れないし、つまらなかったろう・・・。」





『いや』





部屋中から同じ返事。





「結構2人の密談に耳傾けてました。」





恋。





「雄太くん彼女いないんだ――!」





あすの。





「うるさかったですが、つまらなくは無いですね」





由香さん。





「お前等!聞いてたのか!」





「・・・ねっ、寝るかぁっ!」





焦った2人をあざ笑いながら深夜の眠りについた。





合宿2日目。明日と明後日でオワリ。





ケジメをつけずに終わるのはムリだ。





ケジメというのは、





真白。





真白とどうケジメをつけるかだ。





海沿いの新しい木の館。





波のおちついた音に添いながら、





明かりと暗闇が矛盾した間にある照明を、





隣の女の子2人の寝息を耳にし、





優しく糸を引っ張った。





「おやすみ」





静かな笑顔を天井に向けた。





みんな寝たから暇つぶしだ!





ベットから下りて、ゆっくりと木のドアを開けた。





そのまま恋は、外へ走り出して行った。





肌寒っ





大きなくしゃみと共に、高く後ろへ足を上げた。



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