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柿色のセカイ  作者: 萩乃
20/45

嫌い

ん・・・明るい・・・寝てしまっていたのに・・・





カーテンから強い明かりが差し込み、恋の目が眩む。





「ん~・・・何時だ?」





食堂から戻ってきて寝込んだことに気づく。





抱き枕を手で抱えながら、ムクリと起き上がる。





「9時」





隣から声がする。





「おはよー、柴田さーん」





「ぎゃぁ!!」





隣のベットで郁人が本を読んでいる。





「ちょ・・・!何してんの!?そこ由香さんとあすののベットだよ!?」





「あー、知ってる知ってる」





「だったら降りろ!」





「面倒くさい」





「はぁ!?」





本から目をそらさずに平然と話す。





「てかさぁ、」





「何!」





イライラして大きな声を出す。





「2時間も寝てんだな、お前。皆休み時間だから遊びに行きましたけど」





「に・・・2時間!?ひーふーみー・・・確かに!」





指を折りながら郁人を見つめる。





「しかもいちいち家から抱き枕を持ってきて寝るだぁ?子供かよ」





「・・・これが無いと落ち着かないんですー」





「あぁそう。てゆーか、」





「まだ何か」





恋は噂の抱き枕を胸元で抱えた。





「制服で寝るとかあほじゃね?寝返りうったらパンツ丸見えですけど」





「・・・へ?」





「これ、マジね」





「・・・へ!?」





巨大うさぎ抱き枕の頭から真っ赤にした顔を出す。





「なんで本当でも本人に言うかな!?てか郁人パンツネタ多いよ!?」





「見えたもんはしかたないだろーが、もし俺がお前に言わなかったら怒るだろ!?」





「お、怒る・・けど・・」





「だろ!?なんにしろ結果は同じだぁ!」





急に大声を出している。





かと思えば・・・





顔を真っ赤にして口元を抑えている。





「あ――、もう!」





次にまた両手で顔を覆う。





かと思えば頭をブンブンふる。





「郁人・・・・・・」





急に動きを止める。





「最高に気持ち悪いよ。」





「・・・知ってる・・・」





「・・・ありがとね」





「は?」





「ずっとここに居てくれてたんでしょ」





「は、まぁ・・・そうだけど。」





「ありがとうね」





「・・・」





その瞬間、郁人の手が私の頬に触れた。





驚いた顔で郁人を見つめる。





「俺・・・、バスケしてくる・・・・」





「・・・えっ?」





そう言って部屋を去っていった。





窓からの風で2人の髪が揺れていることに気がつかなかった。



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