白色
おかしなところがあったら、どしどし言ってくださいませ^^
「い、い、郁人郁人郁人郁人郁人ぉぉぉ~!!」
「お前・・・まさか」
そうです。私は。
「怖がり・・・?」
「いやぁっぁぁっぁぁぁぁ!!暗いっ!」
「あははっ、れんっこ面白ーい」
あ、あすのに笑われた・・・・
「意外ですね。」
ゆ・・・、由香さん・・・・
「案外普通かも」
一見クールな男の子が笑顔になっている。
「そういえば、柴田って昔もそんな風だったよね。」
雄太くんの一声。
場の空気が重くなる。
なぜかというと―・・・・・
1時間前。
雄太くんが部屋にいないときのことだ。
「柴田さんて、雄太が好きだったんだろ?」
ある1人の発言からだ。
「は?」
「あ、それ昔よく聞いたー!1年が雄太を取り合うとか噂で!」
「・・・・違うよー」
テンションが下がった。
急にこの話題になるなんて
「ちょ・・・!お前ら、この話やっぱりー・・・
「もう1人、柴田さんの横にいつもいた女子が気になってるんだよね」
郁人の声を遮り、その男子は続けた。
「柴田さんとしか喋ってなかった気がするよ、周りの女子から結構嫌われてたようだし。」
・・・え―・・・?
「女子・・・ってー・・・真白のことか?」
「・・・・・たぶん」
真白のことを知っている郁人も私も、ただ呆然と目を丸くして止まっていただけだった。
その後は、この事実を誰にも公開しないという約束をし、そのまま解散してしまった。
場の空気が悪くなった森の中。
「・・・えっ、俺なんか変なこと言った!?
雄太くんが後ずさりをして焦る。
そりゃそうだ。急に皆静かになるから。
「なにも可笑しなことを言っていませんよ。参りましょうか。」
由香さんがその場を立ち直らせてくれた。
もー、何で皆分かりきったように口を閉ざしちゃうんだよー。
あぁ ビビった。
白い夜
黄色い三日月
頭蓋骨まで響いてくる鈴虫の鳴き声
自分の鼻にふわりと香ってくるたくさんのスイセンのにおい
雑草という人くくりの中に入れられてしまう数ある草花
コンクリートから無理強いに這い出てくる強い花
それらをまとう柔らかな空気は、
私たちの青い春を彩った。
でも今春ではない。
『青春』
この言葉はただの言いがかり。物語を彩るだけの言葉と感じる人がいる。
それは違って、
今できることをするための時間。
高2の私たちは、この言葉真っ只中。
皆と過ごす、この長い夜は、
更けるまで続く。
恋は物音を察知して振り向いた。
さきほどまで怯えていたのは、つまらないことに対して。
今は別の怯え。
振り向いた先には別の班の子と見られる。
迷ったのだろうか、1人だった。
ふわふわのセミロング。
見覚えのある風貌。
かいだことのあるいい香りが、森のスイセンの香りをかき消す。
郁人と私はすぐに相手に気づいた。
「郁人・・・何でここにいるのかな?」
「知らねぇ・・・」
もう1人相手側に気づく者がいた。
「真白・・・・か・・・?」
雄太が目を見開いて唖然とする。
恋より先にその女の子は、ピンクの薄い唇をあげた。
「恋」
綺麗な声を出す女子は、私の名を呼んだ。
「ごめんね、久しぶり」
それは、真白だった。
私を軽蔑した真白。
1年前に私に屈辱を与えた真白。
第一の発言で、真白が誤った意味が分からなかった。