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柿色のセカイ  作者: 萩乃
13/45

真一文字

「柴田・・・」





「はい・・・」





「いい加減自立しないか。」





「え、」





班で寝る部屋を綺麗にしている時だ。





郁人のすぐ後ろで隠れて雑巾を振り回している。





まさか元好きだった人と班が同じになるなんて・・・





「おぉ柴田さん!郁人!久しぶりだなっ!」





って、すごくフレンドリーに絡んでくれたが・・・それはとてつもなく迷惑な話だ。





本当にどうでもいいのに意識してしまう・・。これって失恋するとよくあるのだろうか。





と・・・いうか・・・





「なんで男子も一緒の部屋なんだっ!!」





ついつい叫んでしまった。





確かめる暇など無い。だって事情は聞いてるもん。





一言だった。





「部屋数が足りない」だとさ。





ま、まぁ、男女のベットの間にカーテンを引いてるのが幸いだけど。





高校生にもなって同じ屋根の下寝るか!?





保育園児かよっ。





「あ!だったらあすのと由香ちーが一緒に寝る!」





由香ちーとは黒髪女子のことだ。徳野由香。





「えー何でそうなんのー? 私1人かよ。」





「だって由香ちーは、皆初対面だよ?だったらさ慣れるためにあすのと寝るの!」





「そうか、分かった。1人で寝る。」





「ありがとー」





あすのが笑顔を見せた。





どちらかと言うと、1人で寝たい。噂によると、あすのの寝相が半端ないらしい。





ゆっくり寝るのってのも、最近出来てないし。





しかも2段ベットだから皆近いね。





「柴田!大丈夫だ!寂しくなったら俺と―・・・





「黙れ」





郁人のみぞおちに軽くパンチをした。





本当こいつは調子に乗るとウザい。





「はははっ、お前らいつの間に仲良くなったんだよ。」





あ、雄太くん・・・・・





どうしよう、何て答えようかな。





「こいつ俺の班で俺の隣の席ってだけだよー」





郁人?





「え~、それを言うともっと仲よさそうに感じるなぁ。」





「だろ?」





「黙れと言っとろうが。」





「うぐっ」





次は郁人の肩をつねった。





あれ・・・、もしかして・・・今のでかばってくれたのかな?





自然と胸が―・・・・・・














「うぇぼしぃー!!!」





調度夕食作りの時間。2年全体がそろう時間帯だ。





「なに、うっさいんだけど。」





「えー、おひさに会ってその反応は鈍いなぁ。」





「うぇぼしー、班の人で知り合いいた?」





「んー・・・知り合いっつか、女子軍のリーダーがおった。」





「え!?何それ最悪じゃん」





「・・・ま、そうかしら」





うぇぼしーも大変だなぁ





あ、そろそろ食べて部屋に行かないと。





「うぇぼしー、あたし先に食べて戻るね。」





「おっけー」





カレーをかきこんで夜の長い道を歩こうとした。





うぅ・・・最悪・・・うぇぼしーと喋ってたら遅れた・・・





班の人達は食べ終わってるからいないと思うし・・・





嫌・・・嫌・・・怖い・・・怖いよ・・・





高2にもなって恥ずかしいけど暗い所は苦手です。





どうしよう。





他の班の人はまだ食べてるし・・・・





そのへんの人に混ざるのも気持ち悪いし・・・





やだ、やだ、やだ。





誰かっ・・・・・!!





「大丈夫?」





え?





どこかで聞いた声まさか?





バッと振り向くと。





雄太くんがいた。





あ、雄太くん・・・・・・





「怖いの?ははは怖がりか。意外だな。」





びっくりした。一瞬郁人かと思った。恥ずかしい・・・





「あ、ははは・・・ごめん。暗いの嫌いで・・・」





作り笑いでその場を乗り切った。





「俺、本館までついていくよ。調度1人だったしね。」





「え、あ、どうも」





嘘・・・気まずい・・・・





あー、嫌だ、一瞬で体温が下がったような気がする。











ガサッ!











「ぃやぁぁぁぁあ!」





草木から鳥が飛び出してきた。





「わっ」





びびって飛び跳ねてしまった。





「ご、ごめん!」





雄太くんの背中にブチあたるなんて。





「ほんと怖がりだなぁっ!はははっ」





う、笑われた・・・か、帰りたい。





でも・・・





「ははっごめんっ!」





つい私の未熟さで笑顔になってしまう。





そんな自分が嫌いだ。





雄太はそんな恋を見て口を真一文字にした。





その近くでは、誰かしらの視線を感じた。



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