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柿色のセカイ  作者: 萩乃
12/45

合宿

「えーとですね、2年生は毎年2泊3日間の合宿があります。」





家庭科教師の小谷が小さな声で話し始める。





合宿? あぁ、泊りがけでみんな協力して生活送るみたいな。





なんだか面白そう。





日程は・・・・3日後か・・・早いなぁ





あ、でもでも、その間私の好きなドラマが見れないってことか。





それは辛いな。





「あすの、あすのっ!」





「ん? 何れんっこ~?」





あすのを呼び止めた。





「これって面白いのかな」





「面白いと思うよー、だって出会いみたいなのありそうだもーん」





「お、そっかぁ」





出会い・・・・・





失恋の痛みを知った私にもあるのだろうか。





「えっと、それではこの3日間でしっかりと準備をしておいて下さいね」





「はーい」











当日





「ねぇうぇぼしー、3日間寝る部屋一緒になるといいね。」





「別に」





「ひどーい、うぇぼしー」





冗談を言っていることがすぐに分かる。





頬を少し赤らめて口をつぐんでいる姿はとても初々しい。











「よし、活動する班を決めるぞ。C組取りにこい。」





「はーい」





どうやらクジで決めるようだ。





1,2,3,4,5、班に別れるよう。





2班 2班 2班!!!





ただ2の数が好きなだけだけど2班!!





「おりゃっ」





威勢よく箱から紙を引いた。





『2』





「うぇぼしーーーーーぃ、2班だったぁ~!」





感情が抑えられない。あぁ嬉しい





「ごめ、あたし4だわ」





「え」





えー・・・別れちゃった・・・





「れんっこ何班?」





あすのがちょこちょこ寄ってきた。





「あたし、2班」





「ほんと!?あすのも2班だったよー!」





「まじ!?」





やった!あすのと同じだ! 心細くない!!





他は誰だろう。





「はい、私2班です。」





メガネがよく似合う長い髪の女子。





「あ、よろしくー」





「れんっこぉ、女子がそろったよ、あとは男子3人だね」





「あ、俺2班だ。」





えっ、誰?





そこにいたのは





郁人・・・・・





「え・・・・ え―――・・・・・」





「お、柴田じゃーん! 良かったねぇ、てか俺ら運命みたいじゃん?」





「だまれっ!」





恋は郁人の高い背に負けじと、ジャンプして頭を叩いた。





ジャンプすると威力が2倍に。





最悪なんですけど。





「俺2班ー」 「俺も」





後の男子2人が駆け寄ってきた。





1人は無口な子





もう1人は―・・・・・





「郁人・・・・」





「ん? 何?」





恋は今にも泣きそうな顔で、郁人の服の袖を握った。





「あたし・・・・・どうしよう・・・・郁人・・・・」





「へ・・?」





郁人の背中に隠れて見られないようにした。





しばらく状況を理解できない郁人。





でも分かったように郁人は目を丸くした。





雄太・・・・・・か・・・・?



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