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セミ

作者: 萌姫


僕は今、土の中

お母さんもお父さんも飛び立って行ってしまった

僕は1人ぼっちになってしまった…


一生懸命、2人を追いかけた

がんばってがんばって

やっと、一筋の光が見えた

硬い土を破って体が温かい光に包まれた


お父さん達は飛んでいるから

高いところに行ったら見つかるかな…

一生懸命木を登って、周りを見回した

なんて大きな世界なんだろう…

なんだか少し…疲れてきた

一休みしたら、また探しに行こう


目が覚めた僕は、お母さんと同じ羽があった

お父さんと同じ声が出た

僕は、お父さん達を探すため、大きな声で鳴きながら飛んだ


大きな空を飛ぶのは気持ちいい

夢の中で描いていた世界より、ずっときれいだ


今日は見つかるかな…

お母さんの姿を、お父さんの声を探した

たくさん飛んで、たくさん鳴いて、探した

お父さん…お母さん…

僕はここいいます…あなた達を探しています…


また、空が暗くなった

いつもは音に包まれている世界が静寂に包まれる

僕も休まなくちゃ


また、空に明るさが戻った

この光が、お母さんとお父さんを照らしてくれるはず…


空が暗くなって、木に戻った

女の子が鳴いている

そっと、近付いてみる

彼女は少し体を震わせて、僕を見た

私…お母さんとお父さんを探してるの…

彼女は小さくつぶやいた

僕もだよ

僕らは体を寄せ合って、鳴いた


空が明るくなる前に、僕らは飛び立った

大事な我が子を守るため

僕の生まれた土

彼女の生まれた土

僕らは我が子に希望を託した

夢を 誇りを 我が子にたくした

僕らの終わりが近づく


明るい空の下を彼女と飛んだ

世界の隅から隅まで…僕らは飛んだ


暗くなった世界で、僕らは語り合った

僕らの生まれた意味を

僕らの出会った意味を


明るくなった空の下で、僕らは抱き合った

日の光がまぶしくて、暑くて

でも何故か…心は冷たかったんだ


僕は、彼女を照らす月をにらんだ

頼むから…もうやめてくれ

彼女は、静かに眠っている

永遠の眠りについた

僕を置いていかないでくれよ…

僕は、彼女を照らす月に向かって鳴いた


憎らしい日の光を浴びながら

僕は暑いコンクリートの上へ落ちた

もう飛び立つ力はない

彼女の元へ 我が子の元へ 戻る力もない

このまま…ここで僕は消えるのか

そんなの…いやだ


最後の力を振り絞って我が子の元へ飛んだ

何度も落ちて、羽はもうぼろぼろで

声ももう出ない

我が子の元には、彼女がいた

彼女は…我が子の上へ

僕は彼女を抱きしめた

僕らは…我が子を守るために、出会ったんだよ


生まれてくる君は、もうお父さんを

お母さんを探さなくていいんだよ

僕らはずっと君を見守っているよ



 終わりとしてはよくわからないですね汗


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