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ネット地獄

作者: 神名代洸
掲載日:2026/06/25

皆いろんなところでネットを見たり仕事で画面を見たりさまざまだ。

でも使わない日はきっとない。

時代に遅れてしまうと取り憑かれた様に見ている人もいるに違いない。

私もそんな1人だと思う。

ただ仕事がら事務の為パソコンを見る時間は多いと思う。朝出勤してから退社するまで…お昼の休憩時間を除いては睨めっこをしているからだ。


「ねぇ、今日のお昼ご飯どこに食べに行く?」

「そうだね〜、どこが良いかなぁ?」と言いながらカバンから携帯を出し、早速ネット検索をかけている。

近くで安い店は〜、あっここなら割と近いかも。

見つけたら携帯画面を見せ合う。で、決まったら休憩時間までみっちりと仕事をする。

時間になったらさっさと行かないといけなくなってしまう場合がある為、店長である上司に断ってから2人で向かった。


「疲れたねぇ〜。」

「はい。疲れました。」

「でも楽しい?」

「あー、いやぁ〜、大変が多いですね。電話した相手が怖い人だったりすると話がしづらいし、早く電話切りたくなっちゃって…。まだまだですよね。」

「まっ、こればっかりは慣れだからね〜。頑張ろ!」

「はい。」


職場に戻ると画面をつける。

一瞬だが何かが写った気がした。気のせいだと気にもとめずに仕事を始める。


その時同僚の方を見ればよかった。

さっきまでとうってかわって真っ青な顔をしていたから。

他の先輩たちも気づいていなかった。



その日の夜。

珍しく同僚から電話だ。

なんだろうと思って出ようとしたら電話が切れた。

首を傾げたが、今度はLINEが来た。

相手は…昼食事を一緒に食べた同僚だ。

なんだろうと思って画面を開くとそこには……。


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


私も怖くなってしまって、手から携帯を落としてしまった。焦ったからかもしれない。

すぐに拾い上げ、再びLINEを見てみたらやはり同僚の悲痛なメッセージが書き込まれていた。


『マジヤバい!何なの?コレ…。ねぇ、あなたはわかる?すぐに連絡を。』


見て焦ったからLINEを返したが何の反応もなかった。何で?今までなら即返してくれていたものなのに…。なんなん?

しばらくしたらファイルが添付されていた。

それが送られてきたときに思ったんです。コレは見ちゃダメかもしれないって…。


恐怖と好奇心がせめぎ合い、結局好奇心が勝ってしまってファイルを開いたらそこにはえたいのしれないものがしっかりと映り込んでいるのが見えた。

それは沢山の白い球だった。映ってる人の周りに白い小さなものが沢山飛び交っていた。

激しい悪寒に襲われた為、LINEの画面を切り替えたが、…いや、切り替えたつもりでいたのだが、それはここに存在していた。

冷や汗が額からこぼれ落ち、恐怖が無くなることはなかった。


どうしたらいいか悩むも、何の手立ても見つからず不安と恐怖に包まれていた。

直ぐにLINEを消すも再度立ち上げるとそこにはまだ表示されており、何度も繰り返しては消えない事に心臓の鼓動が早まってそのうちに止まってしまうかもと頭の中でそのことだけがグルグルしていた。同僚の事を何とかしてあげたいが、何も思い浮かばないので携帯を掴む手が震えている事に気づいていなかった。



再度携帯が鳴った。

ビックリして携帯を落としたが、怖くて拾う気にはなれずしばらくその場で固まっていた。

携帯の画面が何度も明るくなる。

何かを受信しているのだ。

それが何なのかはわからないが、見たくはないものに違いないと思う。ただ、同僚だったら心配だ。

怖い、怖いけどこのままでは何の解決にもならないと真っ青な顔をしたまま私は携帯を手にした。

画面をつけるとメール等が何通も入っていた。

非通知及び知らないアドレスからのは無視した。

それでも中に同僚の通知が入っていたので、そっちを優先することにした。


「もしもし…。」


私の電話はつながったのか相手が電話をとる音がした。でも返事も何も聞こえてこない。どういう事?


「もしもし?◯✖️さん?私、◯◯だけど…聞いてる?」

「…… う、うん。」

「あのLINEは何?なんであんなの撮ったの?」

「私のせいじゃない。私は関係ない。私は知らない。」

「でも、私に送られてきたよ?あのLINE。」

「…… 何で?私は何もしてない。」

「何もって…現に私の携帯に写真が送られてきているんだよ?誰かが送らなければ私の携帯には入らない。」

「分からない。記憶が抜け落ちてて…。」

「え?そんな事あるの?」

「信じなくったって私は知らないんだからわかるわけない。どうやったら信じてくれるの?あの球体だって私はわからない。ただカメラで友達を撮っただけ。」

「それっていつ頃?」

「そんなの今必要?」

「必要に決まってるじゃん。何があったか知らなければ対処のしようがないじゃない。」

「ご、ごめん。」

「いいって。きにしないで。で、その写真はどこでとったの?」

「遊びに行った時に滝のそばで撮った。」

「やっぱり…。マジか。」

「え?やっぱりとかマジかとか何言ってるの?よくわかるように説明して!」


私は知っている範囲内での知識を同僚に教えた。

同僚は言葉を失っているようで、唾を飲み込む音だけがはっきりと聞こえた。


「ね?分かった?」

「う、うん。分かった。けどどうしたらいいの?何か知ってる?」

「それは私もわかんない。こんな事初めてだし…。誰か知ってそうな人いない?」

「ううん、いないよ。どうしよう〜。」

「うーーん。」


私も困ってしまったが、同僚の方がもっと困ってるはず。放置しておいてもいい気がしない。

どうしたら……。



写した写真を消すのはありだと思うけど、それ以外は…。

頭を抱えた。

無音の時間が長く感じた。

それでも放っておくわけにはいかないので、おちあう事にした。他に知ってそうな人がいたら片っ端から声をかけることも忘れない。


それから1時間経った。

どうやら当てにできそうな友人はいなかったようだ。同僚は1人で来た。かくゆう私もあてはない。

2人では話が止まってしまうが、仕方がない。


どこか落ち着いた場所で…と考えたが、この時間は家族連れが多いのか人がたくさんいる。静かな場所はどこにも無かった。けど店に入ればまだ何とかなるかもと2人で客が少ない店に入った。

喫茶店だったのでこの時間は少ないのか、この店だから客が少ないのかはわからないが、話をするにはちょうどいい場所だった。


「どうしよう…。あなたの方も誰もいなかったのね?」

「うん。こういうの体験する人は…なかなか…ねぇ?」

「私はどうしたら?」

「私も知ってるのはテレビの受け売りだから…詳しくはないんだ。」

「そんな事ないって。私より知ってるじゃん。」

「そう?」

「そうそう。だから当てにしちゃってるの。ごめんね?」


2人はそれぞれ自身の携帯で検索をかけ、わかることはないかと必死だった。そもそも何でこんなことになったのか。ただ写真を撮っただけなのに…。

でも起こってしまったのは仕方がない。だから今ある情報のみで対処しなくてはならない。この2人で。



だけど時間だけが過ぎていき、焦りは募る。

同僚も真っ青な顔をして必死に検索をかけている様だ。私がもっと詳しかったらと思った。でも今更だ。

場所を移動しなければならなくなった為、今日はお開きで、明日また調べようという事になった。

そして、その翌日。

同僚は職場に顔を出さなかった。どうやら欠勤?らしい。誰も電話は受けてないから多分そうなのかなぁと皆思っている様だ。

私は昨日のことがあった為心配だったのでロッカーに戻り、ラインを送る。

すぐに返信はないだろうと思ったので、後でチェックすればいいかなと思って仕事に集中する事にした。でも開始時間になっても電話がない。

月間予定にも休みとは書かれておらず、無断か?とヒソヒソ話が聞こえてきた。

持ち場を離れ、トイレに行くふりをしてロッカーに急ぐ。携帯をチェックするも、LINEの既読はされておらず、もちろんメッセージもない。

気になって来たが、今は仕事の時間。

どうしようもないので黙って持ち場に戻る。

お昼までの時間が長く感じた。

再度携帯から携帯へ電話をかけるもコール音しか鳴らない。ずっとこうしているわけにもいかないので、簡単に昼食を取り、休憩が終わる前に再度連絡してみた。でも電話にも出ない。こっちの携帯の番号は知ってるから出てもおかしくは無いが、出てくれないということは余程の事があったのかもしれない。

夕方までの時間がとても長く感じられ、仕事に集中できなくてちょいちょいミスをした。

先輩は私と同僚が仲がいいことは知っているのであえて何も聞いてくることはなかった。

時計を見たら終業時間の5時を少し過ぎていた。私は慌てて片付けると挨拶もそこそこにロッカーに急いだ。すぐに携帯のチェックだ。

でも何もなかった様で、画面にも何も表示されていなかった。

電話をかけても出ないなら大変かもしれない。でも自宅は知らないんだよなぁ〜。あー!上司なら知ってるか。そう思って上司に相談した。そしたらすぐに教えてくれたので、携帯の地図アプリを使って急いで向かった。

今から向かっても夜は確定だが、そんなことを気にする余裕はなかった。とにかくどうなっているのかが知りたかった。


なんとか目的場所に着いたのだが、どうやって探すのがいいのか、ましてここは知らない土地。情報がなかなか手に入らなかったのは痛い。

それでもなんとか地図を頼りに足を止めずに歩きながら再度電話をかける。

コール音だけが虚しく響く。

それでも私は諦めない。

なんとか住宅街に入ったが、これ以上は無理だ。だから人を探した。

住んでる人ならわかるかもというわずかな可能性をかけてだ。

周りを必死に見回すと、なんか知らないが話し込んでいる人数人を見かけてホッとして「すみませーん!」と言いながら近寄って行った。

来られた方はビックリしていたが、私がなにぶん焦っているのを見て何かただ事ではないのかもと話を聞いてくれた。

「この近くで◯✖️さんのお宅は知りませんか?

3丁目の1番地なんですが…。場所がわからなくて…。同僚の家なんですが、行った事なくて連絡したくても電話が繋がらなくて。」

「3丁目ならあそこね。確か…1番地なら角の家よ?」

「すみません。ありがとうございました。助かりました。行ってみます。」

そう言いながら再度携帯を鳴らす。

コール音は聞こえるが、相手は相変わらず出ない。

教わった家に向かう。

「かど、かど、かど、…あっ!あったぁ!」

玄関の標識を確認すると確かに同僚の苗字だった。

緊張しながらもチャイムを鳴らす。



さっきの教えてくれた人たちはこっちを見て話をしているようだ。まぁ、そんなこと気にしていられない。



バタバタバタと足音と同時に玄関が開いた。そこには真っ青な顔をして立っていた同僚の姿があった。

「よくここがわかったね。誰かに聞いたの?」

私は上司に聞いてきたと話した。


「あがって?」

「いいの?」

「うん、いいよ。ささっ。」

私は同僚に腕を引っ張られながら自宅にお邪魔した。ここは両親と一緒に住んでいるようだ。そう言っていた。


早速LINEを送った事、電話を鳴らした事を話したが、同僚は真っ青な顔をして教えてくれた。

LINEは確かに既読しなかった。

でも電話は違うと。

一度はとったが、相手が貴方じゃなくて知らない濁声の男だった事で怖くなって取れなくなったと話してくれた。

それはおかしいと思ったが、同僚もなんでそうなったかはわからないという。

同僚の携帯を借りて私が電話をかけると同僚は一度ビクッとなったが、私の携帯を渡されて電話に出ると変わらなかったから安心したようだ。


なので再度私の携帯から電話をかけてみたが、同僚は取ると固まってしまっていた。おかしいことに気づいた私は同僚から電話を預かると出てみたが、相手が無言となったり、かっかっかっと笑い出すのを聞いて驚いて落としてしまった。これはきっと携帯に何かが取り憑いてるかもと真剣に思ったので、携帯を変えることを勧めた。

ちゃんと説明してだけど、同僚はまだ半信半疑だ。

そりゃそうだ。

機械に霊が取り憑く話は聞かないから。

とにかく私自身は聞いたことがない。

でも可能性があって、怖がっている同僚をなんとかしたいと思う気持ちは変わらない。

なので、明日は平日だけど急遽お休みを貰ってショップに行こうということになった。


不安な同僚をなんとか宥め、私も一緒に行くからと安心させてその日は帰宅した。

翌日、職場の近くで待ち合わせた私たちは、ショップが開く時間と同時に店に入って携帯の機種変をお願いした。

予約じゃなかったから飛び込みだ。

最新機種はなかったから一つランクを落としてあるものから選んで決めた。同僚も納得の白色だった。

半日かかったが、携帯を変えることができ、尚且つデーター移行もしてもらい携帯を引き取ってもらうことができた。必要なものは携帯に入っているから、見ればわかるけど、一応何が入っているのかの確認をした。とりあえず変わったものはなかったので、ホッとした。

ネットはほとんど見なくなった。

今の時代において必要だが、怖い目にあってまで必要では無い。だから基本はメールとLINE。たまに電話くらいと同僚は言っていた。


それで良いのかもしれない。

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