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恋についての全てを私は知りたい。 〜癖強JKが超能力で男子の心を読み恋を知る〜  作者: 向夏夜なくの
一部 三章 恋が人に与える影響について

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第32話 茶話部始動!

今日は三学期初めての部活の日だ。


別に部室に行って何があると言うわけでは無いけれど、何だか楽しい気分になっている私がいる。


部員と顧問を揃えて、なんなら創部祝いとデートも経て、ようやく部活の正式運転初日を迎えることが出来た。


舛谷先輩に勉強を教えないといけないし、教えるためには一学年上の内容を早勉しないといけないし、観測分体をもっともっと使いこなさないといけない。


その為には、部員ももっと増やした方が良いのかな?


部室へ向かう道すがら廊下を歩いていると、秋見先輩を見かけた。いつにもなく自分から話しかけたい気分だ。


「秋見先輩、今日は部活来ますか?」

「もちろん!学校で人目につかずイチャつける貴重な場所だからー。結姫ちゃんは太陽君とイチャイチャする為に部活を創ったんだよね。全部知ってるよー」

「全然そんなことありません」

「分かってるって。そういうことにしとくー」


――いや、普通に違いますが?


心を深く見ようとした結果抱きついただけであって、イチャつくこと自体が目的の先輩とは一緒にしないで欲しい。

全部冗談で言ってるのだと思うけれど。


秋見先輩にとっても居心地の良い部活にしたいとは思うから、新しい人を増やす時にはイチャつきに理解がある人にしないといけないかな。


雑談をしていると、部室である多目的室はすぐだった。部屋に入ると、舛谷先輩が早速勉強をしている。


「早いですね」

「まあな。教室に居ても、部活の奴らに何で辞めたんだってイジられるだけだし、愛可が来ると勉強どころじゃねえからな」

「勉強どころじゃないって……。あー、そういうことですね」

「それってどういう意味かなー?もしかして悪口だったりするの?」


秋見先輩からにじみ出る圧を牽制けんせいしつつ、舛谷先輩の勉強の調子を伺う。


「で、分からない問題とかありましたか?」

「ま、まあ、そうだな。これとか分かるか?」


先輩は数学の問題を指差す。

一学年上の内容だから当然なのだけど、今まで見たことのない記号がある。


――うーん?


思ったより何にも分からない。

でもここで諦める訳にはいかないし、分からないなりにやるだけやってみよう。観測分体を使えば何とか出来るはず。


そう思った時、秋見先輩が首を突っ込んでくる。


「ああ!この問題なら私でも分かるよー」


先輩の得意気な声を聞いた瞬間に閃いた。

秋見先輩の心を読めば、私も解けるようになるのでは?


『この問題の解き方を教えて』


この一言で、秋見先輩の頭の中から途中式と答えが流れ込んでくる……けれど。


──これ、本当に答え合ってるの?


秋見先輩の学力は信用ならない。


「先輩同士で教えててください」などと適当な理由をつけて時間を稼ぎつつ、机に置いてあった解答を読む。まずは私が理解することから始めないと。


「……そうそう、だからその式を使えるってこと」

「ああ、そういうことか!ありがとう」

「秋見先輩って勉強出来るんですね」

「いや、全然だよー?授業中暇だから、授業中だけは勉強してるけど。この問題、今日授業中に解いたから覚えてたー」


結論から言うと、秋見先輩の答えは合っていた。「だったら良いじゃん」と普通はなるだろうけど、私はそれでは満足しない。一度解いただけで理解できるはずがないから。


今度は舛谷先輩の心を読んでみる。


『この問題の解き方を教えて』


舛谷先輩から解き方が伝わってくる。

秋見先輩の解き方と比較して、ほぼ相違がない。この問題は理解したと言えるかな。


ならば、類題はどうか?

私視点で解説を読む限り、これ系の問題では基本レベルであと二パターンはありそうだ。


私の中の先生スイッチがONになる。実際に問題を解かさなくても、心を読めば理解度は分かる。


『この問題解けますか?こっちの問題は?』

『どちらも無理』


やっぱり解けないよね笑


私は最強問題集作成マシーンとなって、舛谷先輩を解けない問題で殴り続けるスパルタ教育を開始するのであった。







二時間後、下校時間が迫って来た。


〆として、手づから作成した小テストを舛谷先輩に解いてもらう。


「珀君。一問でも間違えたら、激辛ラーメン一緒に食べに行こうね」

「一緒に食べてあげるの、優しいですね」

「??、私は辛いの好きだからー」

「……あぁ」

「分かった。だが、解けないのは教える側の責任もあるからな。三人で行くぞ。せいぜい応援しろ」


秋見先輩は無言で、私とがっちり肩を組む。

これは逃げられそうにない。


だったら、もうちょっと易しい問題にしておけば良かった。私の性格に似た引っ掛け問題の数々を、果たして正解してくれるだろうか。


「珀君、頑張ってー。結姫ちゃんのお尻が辛さで火を吹くかどうかがかかってるから」

「おう。あえて間違えるのもありかもな」

「秋見先輩には申し訳ないですが、その時は冗談抜きで◯してしまうかもしれません」

「俺には申し訳無くないのかよ。あんだけ付きっきりで問題出してくれてたし、流石に真面目にやる」


流石にあれだけ私に先生をさせといて、ワザと間違えるような人間だったら、問題集の角で血まみれにするところだった。危ない。


舛谷先輩は恩に感じてくれているようだけど、私にとっても勉強を先取り出来るメリットがある。多分、先輩よりも私の方が理解出来ている。


解き終わるまでは、まだ時間がかかりそうだ。


「秋見先輩、部員増やすための良い方法ありませんか?」

「うーん、占いの館とかどうー?」

「そもそも、どうやって人を集めるかが問題なんですよ」

「そんなの、悩みありそう顔の生徒を見つけて、下駄箱に手紙を入れとけばいいよねー」


悩みありそう顔の生徒、下駄箱に手紙。

身に覚えしか無い。


「怪文書を書くの得意なんでしょ、太陽君」

「太陽が私にくれたのはラブレターでした。怪文書ではありません」

「無作為ラブレターは怪文書でしょー」

「違います。私が貰ったのは怪文書ではなくラブレターでした」

「……そうだね。だったら、ラブレターマスターに頼めば、きっと良い感じに勧誘文も書いてくれるよー」


すごくイライラする。


秋見先輩は骨の髄までイジるクセがあるから、相談するのにこれほど向いていない人はいない。


適当に「参考にします」と言って話を変えよう。



舛谷先輩が小テストを解き終わる。

採点の結果、とても残念ながら一問だけ間違いがあった。


つまり、私達の激辛ラーメンが確定。したと同時に、太陽君が部活に顔を出した。


「下校前に覗いてみたらまだ居たんだ」

「太陽、タイミング良いね。今から帰るとこ。一緒に帰る?」

「ああ、もちろん。いつでも一緒さ」


先輩達は、悪代官のような企み顔で私達を見つめる。太陽君は瞬時に異変を感じて首をかしげる。


一緒に帰るということは激辛ラーメンを食べに行くということ。太陽君を誘った時点で、先輩達は私を「さぞ悪い奴だ」と思っていることだろう。


でも、私が食べるんだから当然太陽も食べるべきだと思うよ。太陽君の言う通り、「いつでも一緒」なのだから。


「結姫ちゃんって相当性格悪いよねー」

「いやいや、ラブレターを怪文書扱いする先輩も大概ですけど」

「いやいやいや、小テストひっかけ問題ばっかりだったよー」

「いやいやいやいや、誰が激辛って言ったんですか。気がしれないです」

「いやいやいやいやいや、今犠牲者増やそうとしてたでしょ。気がしれないよー」

「秋見先輩も結姫も落ち着いて下さい。今日のところはもう帰りましょう。下校時間も迫っていますから」



下校中、何も知らない太陽君を連れて、四人で中華料理屋さんに入る。


「激辛の姉ちゃん、いらっしゃい!今日は彼氏も一緒かい。珍しいねえ」

「どうもー!いつもの!」

「あいよ!」


まだ少しバチバチしている私と秋見先輩は、そのイライラを激辛に変換して、太陽君にぶつける。


「激辛って、こういうことですか……。これは余りにも……」

「この店はねー、この世で最も赤に近いラーメンをオールウェイズ出してくれるんだよー」

「「「太陽君、任せた!!」」」

「えぇ……」

「太陽。はい、"あーん"してあげるから。それとも何、私の激辛は食べられない?」

恋愛要素少なめの日常回でしたー

茶話部は激辛スタートです??


太陽君が可哀想、、

でも一番悪いのは、問題を間違えた舛谷先輩です(結姫ちゃん視点)

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