86/96
第86話 護衛艦とさ
気が付けば百奈は、護衛艦とさでの勤務も1年半が経過していた。海上自衛隊の場合、陸上自衛隊とは異なり任期が長い為、まだ将来どうするかは考える様な時期では無かった。のであるが、少なくとも任期を継続するか、三等海曹への昇任試験を受けるかと言う事は、決めなければならなかった。護衛艦とさは居心地の良い艦で、寝食をするだけなら特筆して困る点と言うのは無かった。護衛艦とさの任務はミサイル防衛や哨戒と言うものではなく、どちらかと言えば対艦作戦能力に特化した護衛艦であった。大きさも収容可能人数も、平均的であり、汎用護衛艦の名に相応しいディテールの護衛艦であった。米国海軍等との合同軍事演習にも参加した事があるが、米軍艦船と見比べても平均的な大きさに、百奈は感じた。最も空母と見比べれば相手が悪いが、イージス艦やその他駆逐艦等と見比べても特別に小さいと言う事は無く、平均的なサイズの汎用護衛艦であった事は間違い無い。




