第80話 LCAC(エルキャック)
海上自衛隊に存在するのは何もハイテクな機器の搭載されたイージス艦だけでは無い。LCACと言うエアクッション艇の様なおおよそ船と言う概念に囚われない装備も保有している。人員や物資の輸送に使うのが主任務なのだが、要領はホバークラフトのラジコンを巨大化させた様な物である。何故この様な装備が海上自衛隊にあるのか?答えは簡単である。制約が非常に多い自衛隊にあって、必要最低限度の戦力ならざる自衛力と言うものを追求して行った道中で、出現した装備なのである。US-1、US-2と言う世界トップクラスの救難飛行艇の様に水陸両用の水上機を運用している海軍は七つの海あれど日本の海上自衛隊だけである。LCAC(エアクッション艇)も同じである。他国が真似できない様な分野を開拓して行く事で、防衛力を総合的に向上させる。そうした狙いも多分にあった訳ではある。エアクッション艇も救難飛行艇も日本と言う島国の置かれた状況の中で、生まれてきた産物と言う事になるであろうし、これからもそうしたオリジナリティに溢れる兵器は出て来るであろう。




