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第8話 適性検査
自衛隊と一言で表せても、その職種の幅広さは恐らく日本の公務員の中では断トツトップである。ただ闇雲に人手が足りないからと言って代わりの人材を配置すると言う様な民間会社の様にはいかない。適性検査はその人物がどの様な特徴を持っているかを知り、最適と思われる分野で活躍して貰うと共に、自衛隊の戦力を充実させる、あるいは低下させないと言う2つの側面があった。早瀬も教育期間中に適性検査を受けた結果、護衛艦の水兵が相応しいと言う事になった。これにより、教育課程終了後の進路は護衛艦乗り一択となった。この適性検査は進路決定の意味もあり、必ずしも自分が希望していた職種につけるとは限らない。とは言え、第三者から見た自分の評価と言うものは、合理的でよく考えられた手法であると思う。人材不足の自衛隊にとって、下士官や士長以下の隊員が足りない事はこれからも克服して行かなければならない問題であるだろう。人材と言うより人員が足りないと言う方が正しい解答かもしれない。