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第73話 残るか去るか
百奈は結婚してから自衛隊に残るか去るかと言う事を考え始めていた。任期制自衛官の彼女が自衛隊に残るならば、任期継続か更新。あるいは三曹への昇任試験をパスする必要がある。去るならば特に明記する事はない。百奈としては自衛官を続けたいと言う気持ちがあった。どうせ専業主婦なんてつまらないし、何より自分の生活費金位は自分の手で稼ぎたい。言い方は悪いかも知れないが、世の専業主婦の様に旦那の稼ぎにおんぶに抱っこされてはずかしいと思わないか…と彼女は考えていた。そう言う部分もあったし、何よりも仕事に慣れてきて楽しくなったと言う事も影響していた。戦争が起これば真っ先に最前線に行かねばならないし、災害が起こっても出動せねばならない。日本には米国と言う最強の同盟国もいる。それを間近で見ていたものだから、不思議と不安の様なものは無かった。海を守る自衛官の制服姿もようやく板に付いて来た所だし、富夫もこの仕事については理解がある。だからこそ海上自衛官を続けたかった。




