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第7話 射撃
自衛官である以上射撃の技術と言うものは必要で、どんな課に配置されても教育期間中はみっちりしごかれる。早瀬も初めて見て触る64式小銃に悪戦苦闘していた。小銃の衝撃と言うものは、凄いもので漫画やアニメの様に片手で打てる様な軽さはない。とにかく正しい姿勢で的に当てる。と言う基本が無ければ様々な姿勢で射撃をする事を要求される現場では使えない。もちろん得意不得意はあるかもしれない。しかし、現場の者がそれを言ってはいけない。仕事である以上、身を粉にして行うのは、サラリーマンが神経を磨り減らして営業に行くのと同じ事である。現在の陸海空各自衛隊の射撃能力がどれ程のものか、どんな水準ににあるのかを知る術もないが、恐らく諸外国並のスキルやノウハウは持っているという事は言われている。海上自衛官の場合艦上で射撃をする事はまず無いかも知れないが、実戦となればそれは分からないだろう。64式小銃は世界一平和な小銃と言われ、戦闘で使われた事の無い小銃と言われている。




