第52話 デート(2)
外泊届けを出していた為、この日は帰隊時間を気にしなくて良かった。この日も映画を観た後は和風居酒屋に向かう事になった。2人であらかじめ決めていた訳でも何でも無かった。今日は酒を飲んで腹をわって話そうと言う流れにでもなったのであろうか?
「乾杯!」
2人はビールで乾杯した。早瀬は酒が嫌いではなかったが、毎日大量に飲む酒豪では無かった。それに、仕事柄酒を飲むのは特別な日に限定していた。ちなみにこの日は早瀬百奈21歳の誕生日であった。そうする事で、酒の美味しさが2倍、3倍になるからであった。富夫も早瀬もまだ若い為、久しぶりの休みだと、朝まで騒ぐ事にした。2人は相性が良かったのか、端から見ていると、この2人が?と思われる様な疑いを持ちたくなる様なカップルではあったが、当の本人達はどこ吹く風と言わんばかりに絆を深めて行った。早瀬にとっては富夫といるこの時間が、キツイ任務の事を忘れられる唯一の時間であった。それは早瀬にとっては短いながらの青春でもあった。側にいてくれるのが、富夫でなくとも本当は良かったのかも知れない。現実から逃げる為だけなら。




