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第5話 一にも二にも体力
入隊してからやる事は、とにかく体力をつける事である。陸海空問わず、教育課程では走り込んで体力の基礎を作る。それを疎かにして厳しい現場に入って困るのは自分だけじゃない。他の先輩隊員にも迷惑がかかる。でも、迷惑で済むならまだ良い。最悪の場合死亡する可能性もある。笑い事ではない。現に訓練中に事故死(殉職)するケースもある。海上自衛官の場合はスウィム(泳ぎ)も必要だ。陸上自衛官ならばラン(走り)航空自衛官のパイロット志望ならば強力なG(重力)に耐えられる様に体を作り上げねばならない。例え整備要員であったとしても、重い整備機材を操る力がいる。とにかく、自衛隊だけではなく、軍事組織と言うものは、いくらミサイルや核兵器が進歩しても、一にも二にも体力が必要なのである。と言う事は確かだ。海上自衛官として入隊した早瀬の場合、泳げた為、より多く泳がされた。自衛隊では体力テストがあり、それに向け走りや泳ぎを強化する。体力テストで有終な成績を残した者は表彰され、給与に反映される。