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第32話 DDH(護衛艦)
現代の日本には海上自衛隊はあっても正式な海軍は存在しない。それは艦船の呼称を見ても分かる。海上自衛隊が持っている艦船の種類の中で一番多くあるのがDDH(護衛艦)である。基準排水量が19000トンもあるヘリ空母型護衛艦いせや、ひゅうがも、10000トンクラスのイージス艦も7000トンクラスの駆逐艦と諸外国で呼ばれる艦船でも全て、用途が国家国民を護衛する為の物ならば、海上自衛隊では護衛艦と呼ぶのである。呼称に敏感なのは、自衛隊が日本の正式な軍隊では無く、準軍事組織にしか成り得ていない現状がある。勿論海外の人間からすれば、陸上自衛隊はアーミーだし、海上自衛隊はネイビーだし、航空自衛隊はエアフォースと言う認識であるのに違いはない。しかし制度上自衛隊員は軍人ではなく公務員である。ここらあたりの矛盾を解決しない事にはいくら装備を固めたとしても、張り子の虎である。日本を守るには現在のままでは不充分であると言わざるを得ない。




