第31話 上官の命令は朕の命令
軍隊において、上官の命令は絶対である。いくらエリート士官で若いのに能力が無くても、その人物が上官ならば従わなくてはならない。それが軍隊と言う所である。上官の命令は朕の命令と言う言葉がある様に、それに逆らう事は抗命罪と言う立派な軍法会議ものの罪である。だからどんな命令にも従わなくてはならないのが部下の務めなのである。ただ、現在の自衛隊には軍事法廷が存在しない為、内部で処理するしかない。あるいは自衛隊法違反による司法の判断に委ねるしか方法がない。早瀬の様な新兵がその様な事をする可能性は極めて低いのであるが。それでも上官の命令に逆らう事は状況によっては充分に有り得る事態なのである。逆を返せば上官である士官や下士官の人間にしてみれば階級が上がれば上がるほど、責任が増大すると言う事であり、民間会社と何ら変わりは無い。集団行動をしている自衛官達にしてみれば、命令に従わない隊員等存在意義が無いのである。ちなみに朕とは王様や最高司令官の事であり、朕の命令は絶対である。




