第30話 米国海軍との違い
世界には190以上もの国家があるが、海の無い国家を除いて海に面する国家のほとんどが、大なり小なり海軍を所有している。その中で最大最強を誇るのが米国海軍である。日本のように海上自衛隊(JMSDF)と名乗っている国は他には無く、日本の海上自衛隊が少し特殊なのであって、日本と諸外国の海軍を比べるならば、日本と米国を比べた方が早い。まず階級の呼称が違う。法律も違う。守るものも違う。装備も歴史も違う。とにかく日本がもっと強力な海上自衛力(海軍力)を手に入れる為には、現状維持では駄目なのである。そして最も大きな違いは米国海軍に属する全ての人間は軍人であり、日本の海上自衛隊に属する全ての人間は公務員であると言う事である。この違いは小さい様で実は物凄く大きいものである。軍人の守る国家と役人と同等の力しか持たない人間が守る国家では、どちらが強いか弱いか、論ずるまでもないだろう。正確には自衛隊員は特別職国家公務員であり、官僚とは違うのだが、それでも米軍の様に裁量が多くある訳では無く、自衛隊法により自衛官の裁量は大きく制限されているのは事実である。




