第28話 とさ流のしごき(3)
上下関係の厳しい自衛隊において、心を許せる同僚を持つ事が出きるかどうか?と言う部分で自衛官として長く活躍出来るか出来ないかと言う事は分かれてくる。上官からしごかれるのは下士官や士長以下の隊員の宿命でもある。と、同時にやはり人間関係の歪み。つまり、イジメや確執等も自衛隊は人間の組織である以上存在する。それを乗り切る為にはやはり一人では辛い。WAVE(女性海上自衛官)ともなると、更に人数は少ない為、自然と同期と固まりがちになってしまうのは致し方無い事であった。200人以上の定員がいる護衛艦とさでは、新入りがイビられていようがいまいが、基本的には見ないふりをする。それが自衛隊法や隊規に触れるものであれば、そうもいかないのだが、大抵の場合は分からない事にする。この見えない(受ける者には見えている)圧力こそ見えないとさ流のしごきであった。これは何もとさに限られた話ではない。他の艦船(部隊)にも見られるものだが、新人にとってそれは痛い洗礼である事には変わらなかった。




