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望月アグリと申します  作者: 有住葉月
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ご主人様のご帰還

5、ご主人様のご帰還

ああ、みなさまにもご挨拶しませんとですね。

望月アグリと申します。

15で嫁入りした、それはそれは今では突飛ですがその頃はごく普通の結婚でした。

そう、私の結婚前後についてお話ししていましたね。


学校から帰ると、みんなのあの態度に対してとても腹立たしく思いました。

いつの間に、あの人がファンクラブまで作る美少年として祭り上げられていたのでしょう。


軽薄そうな方だから、そういうふうになったのかもしれませんね。


ということで、夕食も終わり、風呂に入って、自室に戻ったところです。

「やあ。」

「え!」

「何、奥さんでしょ?」

「奥さんじゃありません。アグリです。」

「あぐりさんて呼ぶの変じゃない?」

「じゃあ、あれでもこれでもいいです。」


私の顔をまじまじと見るヨウスケさんです。

「あの、私ゆっくり本でも読んでから休みたいので、駅前旅館にお戻りになるなら早くしてくださいな。」

「怒ってるねー。嫉妬?」

「そういう仲じゃないですよね?私たち10分も話したことないんですし。」

「でも、ここ僕の家だよ。」

「じゃあ、あの女性はどうなさったんですか?」

「おかえりになったよ。仕事があるってね。」

「彼の方とご結婚なさったら良かったじゃないですか?」

「ああ、僕ね、結婚とか全然興味ないの。だから、君がこの家守ってくれるなら、僕はフワフワとんで自由恋愛を楽しむよ。」

「私がこの家を継ぐ?」

「まあ、そのようにしてくれれば、君だってお嬢様のままだしいいんじゃない?」


そう言われればそうです。形だけの結婚であれば、面倒もないですし。


「ああ、僕も風呂に入ってこよ。」


そう言って、ヨウスケさんはお風呂に行きました。

今日はどうやらこの家に泊まるようです。

どうしよう。同じ部屋です。急いで他の部屋を探さなくては。


廊下を彷徨いていると、勇蔵さんに会いました。

「姉さん、何してるんですか?」

「あ、ヨウスケさんが帰ってきたから、他の部屋を探してて。」

「なんで他の部屋?」

「だって、一緒に眠りたくなくて。」

「夫婦じゃろ。」

「私、まだあの人と。。。」


勇蔵さんは背景はわかったようでしたが、私を部屋に戻しました。

「姉さん、お兄さんと仲良くしてくれな。」


皆さん、危機一髪です。

私はどうすればいいんでしょう。


ということで、本日はここまで。私のつまらない話にお付き合いいただきありがとうございます。

お粗末さまでした。

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