表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

40歳童貞の事件簿

作者: しんしん

 隣人が、おっぱいを、見せつけてくるのである。


 もちろん裸体ではない。きちんと洋服を着ている。そんなことをすれば公然わいせつであり、いかに美しい2次元を具現化したような女性であろうとも逮捕は免れない。


 おっと自己紹介が遅れていた。


 俺は40歳の童貞のしがないサラリーマンである。


 自己紹介はここまで十分であろう。きっと俺の全てが伝わったはずだ。


 さて本題に入る。


 隣人がおっぱいを見せつけてくる件である。


 状況を整理する。大事なのは5W1H。社会人の基本である。


Why  (何のため)

What  (何をするのか)

Who  (誰が、誰のために)

When  (時期・頻度・長さ)

Where  (どこで)

How  (どんなやり方で)


 このフォーマットに当てはめていこう。


Why  なぞである。

What  乳を見せつけてくる

Who  隣人の2次元のような美しい女性

When  朝・出勤前

Where 玄関を出る時に

How  揺らす



 なるほど。これだけなら痴女にしか見えない。もしかしたら痴女なのかもしれない。


 彼女と俺は話したことはない。すれ違う際に挨拶を交わしたことはある。ただそれだけの関係である。俺は彼女のストーカーではないので、何時に出勤して何時に帰ってくるかなんてしるよしもない。


 彼女が後から入居し、隣人への挨拶は特になかった。彼女の人間性に問題がある訳ではない。このご時世、どんな隣人がいるか分からない。危機管理として当然の選択だ。


 俺は電気を消し、ベットに潜り込んだ。頭の中が悶々とする。


 おっぱいを見せつけてきた朝の出来事をもう一度思い返す。


 「おはようございます」


 会釈をする彼女。揺れるおっぱい。


 なるほど、考えれば考えるほど明らかに見せつけに感じる。


 挨拶一つでそこまでおっぱい揺らす必要があるだろうか? いやない。


 やはり見せつけである。女性が無防備におっぱいを揺らすことなどない。男性には常に警戒心を持って接するはずである。


 俺は優秀な仕事仲間であり、友である鈴木にLINEをした。


 異常事態だ。おっぱいを見せつけてくる隣人がいるぞ、と。


 彼の返信は早かった。


 「頭ん中が中学生か。あったかくなって薄着になっただけだろ。お前が胸をジロジロ見てるのバレてるぞ」


 なるほど……。流石既婚者……。女性を熟知している。確かに俺は目線を強いられていた。


 「ありがとう」


 俺は鈴木に返信をし、ゆっくりと目をつむった。


 翌日、隣人の女性とすれ違った際、かなり冷たい目線で見られたのは言うまでもない。

いかがだったでしょうか? 気楽に楽しんでいただけたなら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] うーん、これは永遠に解けない謎かもしれませんね。。
[良い点] 主人公の疑問に鮮やかに答えを出す同僚の鈴木がとても優秀でしたね。 オチにもクスリとしました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ