83話 怪我する方が難しい
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ー?視点ー
この世界でフレイアとして生まれ、僕はこの部屋で育った
月の光が窓からいっぱいに部屋に広がり、照らす
明かりなんて1つもつけてないのに不安にならずに歩けてしまう
そして僕は窓辺に立ち、考える
僕はもう、どうすればいいか分からない
明日どんな顔をすればいいか
こんな気持ちで君と一緒居ていいのか
君がただ一言、ついて来いと言ってくれれば僕は間違いなく二つ返事でついて行くのに
こんな事を思う僕はなんてズルイんだろう
君に期待してしまう
自分で決めなきゃいけないことなのに
5日前ー
ーーー
カイズに帰って来たフラン、フレイ、ノクターンの3人は夕食を食べ終え、抜け出した部屋の下まで戻って来ていた
ふたりは部屋に戻るために忍び込む方法を相談し始めたが、ノクターンはそれを止めた
「どうした?」
「帰り方はもう既にエチュードと相談済みです。」
「マジか⁉︎」
「はい。お任せください。」
「おう!頼むわ」
「では、おふたりはこのまま待機していてください。エチュードが参りますので。」
そう告げるとノクターンは宿の中に入って行った
ふたりは言われた通りに待っていると、数分後エチュードが窓から飛び出して来た
「おかえりなさいませ。お怪我等ございませんか?」
「おう、エチュードただいま帰ったぞ!怪我はする方が難しかったな」
「用意してくれた装備のおかげで、傷一つ無いよ」
「それはなによりでした。
さて、冒険譚も聞きたいところではございますが、うるさい鼠も居るようなので先に部屋の前で監視をしている方達に無事な姿を披露していただけると幸いです。」
「そうだな。部屋に戻って着替えたらチラッと顔を見せとくか!」
「ありがとうございます。おふたりは体調を崩された為、部屋に籠っている設定でございます。ノクターンが持って来た薬で回復したと言うことにしておりますので。」
「了解!留守番ありがとうな!マーチにも伝えておいてくれ!」
「承知しました。」
ペコッと腰を折った後
エチュードはふたりを部屋に運び、着替えを手伝う
「ハァ、またドレス生活だな…」
「もう冒険者装備に慣れちゃったもんね」
「そうだな、ちょっと気持ちが持っていけてなかったわ!令嬢モードも久しぶりな気がする」
「確かにね!上手く出来るかな?」
「お前は令嬢中もあんまり喋らねーじゃん⁉︎」
「それでも、スイッチは入れてるんだからね!」
「ハハッ、そりゃそうか!」
「でも、もうすぐこの生活ともおさらばだね!」
「そうしたら、俺は今日みたいな冒険者装備を着ときたいな」
「僕もだよ!」
そんな話をしているとエチュードの手により完璧な令嬢が完成していた
「完成でございます。」
「ありがとうな、エチュード」
「ありがとう」
「いえいえ」
「それじゃあ、顔見せに行くか!」
「お供いたします。」
エチュードが部屋の扉を開けると部屋の前には1人の監視の人が待機していた
普段は2人居るはずだが、今は1人が休憩中だったようだ
3人は部屋から出て扉の前に立ち、フランチェスカが話はじめた
「お疲れ様ですわ
私達はご覧のとおり、お薬のおかげで回復する事ができましたわ」
「それは何よりでございます。
移動はどういたしますか?もう数日は安静になさいますか?」
監視の人はにこやかに対応する
「いいえ、お待たせしてすいませんでした
明日から移動を初めていただいて大丈夫ですわ」
「かしこまりました。それでは明日の朝から移動出来るように手配しておきます。」
「よろしくお願いいたします」
そうフランチェスカが言って、3人は部屋に戻った
「やっぱり、お前喋らなかったじゃねーか⁉︎」
「だから、スイッチは入れてたってば!ずっと、微笑んでたんだからね!」
ーーー
そして、次の日の朝
一行はカイズから旅立っていった
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