77話 助けてあげてほしいのです!
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十数分後、ふたりは唖然とした
左右に別れたふたりとフランについて来たノクターンはグルリと回って再開したのだった
「これ…」
「円形になっているようです。」
「途切れてる場所なんか無かったな!」
「そうだね、
なんとなくそうなる気はしてたよ」
「マジ?でも、それなら突破するしかないよな?」
「中に入るにはね」
「それか上からだな!」
「エチュードがいたら見てもらえたけど」
「まあ、今は居ないからな
それにドーム型だったら同じことだしな」
「なら、やっぱり?」
「どうにか突破するしかねーよな!」
「って言うより、そもそもこの中に僕達の目的の品はあるのかな?」
「聞いてみるか、ナビミィ!」
「はいなのです!」
「この透明な壁の向こう側に俺達の目的の物があるのか?」
「目的の物は無いのです
でも、中には入って欲しいのです」
「どうして?何かあるの?」
「女の人が居るかもなのです!」
「えっ⁉︎女の人⁉︎なんでそんなこと知ってるの?ってナビリィとナビミィはそういうのはなぜか分かるって言ってたっけ?」
「今回は違うのです!精霊時代に立ち寄ったことがあるのです!だから知ってるのです!」
「精霊時代って僕達の所に来る少し前ってこと?」
「分からないのです
ハッキリ覚えてないのです」
「そっか、もし昔の話ならもう居ないかもしれないね」
「でも、行くは行くだろ!」
「まあ、気にはなるよね」
「よし!寄り道するか!っでどうやったら中に入れるか分かるか?」
フランに問われ、ナビミィは少しだけ考えてから答えた
「試したいことがあるのです
もしかしたら、中に入れるかもしれないのです」
「おぅ!やってみようぜ!どうしたらいい?」
「私を壁にくっつけてほしいのです!」
「くっつけるってこうか?」
フランは言われた通りに、ナビミィの腕輪を見えない壁にくっつけてみた
「これで大丈夫なのです!ちょっと待っててくださいなのです」
そう言うとナビミィは何かを囁いた
「……ー、む…き……ぁ…なの…」
その声は小さ過ぎてなんと言っているのか誰にもハッキリとは聞きとれなかったようだ
ナビミィが喋り終わると見えない壁の一部が景色が変わった
範囲は丁度、人が1人通れる分くらいだろうか
どうやら、ナビミィの言葉で壁の向こう側に行くことが出来そうである
「開いたんじゃね⁉︎」
「景色が違うね、行ってみる?」
「行くしかないだろう!でも、フレイから入ってくれ」
「もー、変な所でビビリが出るんだから!」
「すまん!ちゃんと後について行くから、頼むわ!」
「分かったよ、ノクターンも一緒に行く?」
「おふたりにお供します。」
「OK、それじゃあ入るよ!」
「「待ってほしいのです!
おふたりに一つお願いがあるのです!」」
ナビリィとナビミィが声を合わせて、ふたりを呼び止める
その声はどこか悲痛な思いを孕んでいるように聞こえた
普段明るいナビリィとナビミィが出したのなら少し違和感を感じるほどに
「どうした、改まって」
「「私はご主人様とマスターをここに誘導したのです!」」
「誘導ってなんでまた?」
「「騙すつもりは無かったのです
たまたま、おふたりが求めている物が近くにあったので案内しただけなのです
でも、あわよくばここに誘導出来たら、中に居る人を助けてあげてほしいと思ったのです!」」
「偶然、俺らが欲しがった物がこの辺にあったから、ついでにここに誘導してみたってことか?」
「「簡単に言ってしまえばそうなのです」」
「助けてあげてほしいってどうゆうこと⁉︎」
「「中に居る人は私が来た時には苦しんでいたのです
だから、助けてあげてほしいのです」」
「苦しんでってなんで、そんな大事なこと早く言わないんだ⁉︎
行くぞフレイ!ノクターン!」
その話を聞くとフランは景色が変わった場所から壁の中に向かって走る
「ちょっ!フラン!待って!」
フランが走り抜けた後に続いてフレイとノクターンは追いかけていった
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