表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/134

[第1章]番外編2/5 ヨシヨシ争奪戦

今日はいつもより少しだけ長くなってしまいました。


(※この話は本編52話と54話の間のこぼれ話です)


ーーー

ふたりが居ない間の『アバタールーム』にて繰り広げられているのは、モルモル達による壮絶な争奪戦である


今日はこの様子を観察してみましょう


まず、ふたりが朝起きる頃

リビングのソファから皆んな一斉に起きだす


モルモル達は睡眠、食事の必要は無いが悠と玲に適度な休憩を勧められているので、ふたりが夜に寮に戻った後は休憩の一環としてリビングで集まって眠るようにしている


この行為は必要ではないが、こうするとふたりが安心するようなのでそうしているようだ


ムクッと起き上がるとすぐさま自分の持ち場に向かうモルモル達


持ち場というのは、

エチュード、ソナタ、マーチ、レクイエム、ワルツはファーム


ノクターン、ファンタジア、ラプソディはクリエイトルーム


が持ち場になっている


そして、その持ち場につくと毎日始まるのがヨシヨシ争奪戦である


このヨシヨシ争奪戦とは、いかに自分が役に立っているかをふたりにアピールし頭をヨシヨシしてもらえるかを争うものである


モルモル達は皆、これに人生?モル生?をかけていると言っても過言ではない


まずは、レクイエム

育てていたユークレーナという植物から今日は実を収穫出来る日である

これを見せてふたりにヨシヨシしてもらうつもりだ


次はワルツ

ワルツは動物小屋に起きてすぐに様子を見にきた

ここ数日、孵化箱の中に有精卵を入れて見守っていたのだが、そろそろ産まれる予定である

だが、まだ産まれてはいなかったので仕方なく産まれてくるヒヨコ達の為に動物小屋エリアの鶏小屋を念入りに掃除した

もしも今日産まれたなら、ふたりに喜んでもらえるはずだ


ソナタは水やり担当だ

レクイエムが植えた植物達にゆっくりだが確実に水を与えていった

彼女の場合、レクイエムのヨシヨシに便乗することができるだろう


マーチは力仕事を担当している

今日はレクイエムが植えた木が立派なサイズに育っているので伐採する予定だ

チェーンソーを使ってもいいが、ふたりが許可してくれたので今日は赤い棒を使って伐採するつもりでいる

クローゼットに木材の蓄えが増えると、きっとふたりは喜びヨシヨシしてくれるだろう


そして、エチュードは全体の監督をしている

ファーム組の様子を見て人手が必要な時は率先して手を貸している

今日は、収穫のレクイエムが忙しそうなので、掃除が終わったワルツを誘い、一緒に収穫を手伝いだした

早く作業が終われば別の作業にも取り掛かれる、イコールいっぱい役にたてる、イコールふたりが喜ぶのも間違いないだろう



続いて、クリエイト組は


ファンタジアが今日の夜食を悩んでいた

悠は夜食であろうと脂っこいものも、甘いものも、何でも大量に食べれるが、玲はなるべく、あっさりめで量も少ししか食べれない

しかし、気分がのってる時や前世の懐かしい味にはつい箸が進む傾向がある


そんなファンタジアに、もう1人の料理番のノクターンが提案する

その結果、今日はユークレーナの実を使ったジェラートを作ることになった


相談が終わるとノクターンはポーション作りに取り掛かる

ファンタジアはレクイエムがユークレーナの実を持って来るまではリビングと悠の部屋の掃除をすることにした


ちなみにふたりが居ない時は玲のリビングから悠の部屋には入れなくなっているが、ふたりが帰る前に扉を開けっぱなしにしてもらうことで行き来が可能になっている

おかげで、悠の部屋も掃除ができて、きっと喜んでもらえるはずだ


ポーション作りに取り掛かったノクターンに刀を作っていたラプソディが呼びかける

どうやら、鍔のデザインを相談したかったようだ


こちらも相談が終わるとそれぞれの仕事に戻っていく



ここまで見てもらえばお分かりいただけただろうか

こんなふうにモルモル達は自分の得意な事でふたりを喜ばせようと日々を過ごしている


しかし、この日のヨシヨシ争奪戦にはトラブルが発生した


事の発端はワルツが孵化箱に入れた卵からヒヨコ達が産まれたことだ

産まれたヒヨコ達は『アバタールーム』で産まれたため成長が早く、すぐに元気に動き回れるようになった


産まれた時にワルツが側に居れば話は違ったかもしれないが、今日は運悪くユークレーナの実の収穫にかりだされワルツは近くに居なかった


産まれたヒヨコはピヨピヨと鳴きながらその場で兄弟達の誕生を見守っていた

しかし、その時マーチが何本目かになる木を伐採し、とても大きな音がドシンっと鳴り響いた

その音に驚いたヒヨコ達は一斉に飛び上がる


言葉通り飛び上がったヒヨコ達はファームのあちらこちらに逃げ惑う


その様子に1番に気づけたのはエチュードだ


エチュードはファーム組に素早く指示をしヒヨコ達を捕まえていくが、数が思ったよりも多い


この事態にエチュードはクリエイト組に助けを求めるようにワルツに指示をだす


ワルツは窓を開けて、リビングからクリエイトルームに飛び込んだ


助けてとジェスチャーで表現するワルツ


しかし、タイミングが悪く、ファンタジアは包丁をラプソディは刀をノクターンは怪しげな薬を持ちワルツのほうに一斉に向く


性格の大人しいワルツは恐怖ですぐさまクリエイトルームから悠のアバタールームへと逃げてしまった

勢いよく閉じた扉はもう開く事はない


クリエイト組が大丈夫かと扉をトントンと叩くと少しずつワルツの勘違いも修正されていった


その後、ヒヨコ達が無事に鶏小屋に全て誘導出来たのをワルツが聞く頃には、ふたりが寮からやってくる時間になっていた


「うわ!えっと君はワルツ!

どうしたの閉じ込められちゃった?」


泣きそうな表現で悠に抱きつくワルツ



ーーー

「ん?どうした?お前達!」


閉じ込められたワルツを心配する他の7人のモルモル達が悠の『アバタールーム』に繋がる扉の前で団子になり玲を出迎える


「玲〜来てる?」


丁度その時、悠の声が扉の向こう側から聞こえて扉を開く


悠に抱き抱えられたワルツが7人のモルモル達に飛び込む


「うお!どうした⁉︎」


「なんか、ワルツが閉じ込められてたみたい」


「なるほどな!」


「この扉どうにかしたいね〜」


「そうだな!ヨシヨシ!お前怖かったな!」


一同、頭をヨシヨシと撫でられ、ご満悦そうだ


今日のところは全員平等にヨシヨシされて争奪戦ではなくなったが、皆んな幸せな気持ちになったようだ


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、ブックマークや高評価、いいねなど頂ければ幸いです。


作者のモチベーションに直結しておりますので是非よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ