6話 ガチャルームには夢が詰まってる
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息を切らしながらやって来た悠が言うにはふたりのガチャルームを探索してみたところ、ガチャルームにはアバターガチャと家具ガチャと準備中のイベントガチャがあったのだが、玲のガチャルームにはプラスでアイテムガチャがあったそうだ
悠が伝えたかったのはそのアイテムガチャだ
「玲のガチャルームからアイテムガチャを見つけたんだけど、そのラインナップに材料とかタネとかあったんだよ!」
「マジ⁉︎材料あったじゃん!早速ガチャしようぜ!」
「でもお金がいるみたい、持ってる?」
「えっ無い…俺この世界のお金見たこと無いわ!」
「えー身分の高い令嬢って逆にそうなるの⁉︎お金、僕は少しだけなら手持ちがあるけど…」
「頼む!貸して!」
「貸してとかやめてくれない?」
「ご、ごめん…どうしても欲しくってつい」
「いや、そうじゃなくってこれからふたりでやっていくんだからさ!貸すとかそういうのはやめようよ?ふたりの出来る限り、持てる限りをつくして乗り越えていこうよ!」
「…悠、オマエってやつは熱い男だな!マジで惚れそう」
「えーだから気持ち悪いって!」
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笑い合いながらふたりは早速、玲のガチャルームにやって来た
玲がガチャを確認すると悠に言われた通りにアバター、家具、アイテム、そして準備中になったイベントガチャがあり、その中のアイテムガチャのラインナップを見てみると確かに材料っぽい物やタネが表示されていた
「価格は1回500M?11連5000M?マリーってなんだ?」
「Mはこの世界のお金の単位だよ、円と同じ」
「へー知らなかった。俺よっぽどお嬢様なんだなあ、ちなみに500Mは日本円で大体どれくらいの価値になるんだ?」
「同じく500円って感じじゃないかな?」
「おお!ならガチャとしてはちょっと高いくらいか!」
「ちなみにその横にあるガチャたち1回が5000M、11連が5万Mだよ?」
「たかっ!!アイテムガチャの十倍じゃねえか⁉︎
まあでも、俺たち貴族令嬢だし?俺は持ってないけど…悠いくら持ってる?」
「…5000M」
「嘘だろ?貴族令嬢の小遣いってそんなもんなのか?」
「いや皆んなは、もう少し持ってると思うよ、僕だけちょっと訳があってさ…」
「訳って何があったんだよ?まさか親から虐められてるとか…「違う!違う!」
心配そうな表情になった玲の言葉を悠が強引に遮る
そしてそのまま悠は続けた
「両親は優しいよ!お小遣いが少ないのは…恥ずかしいんだけど…ぼ、僕が食べ過ぎちゃうからなんだ…」
「…はあ?どゆこと?」
「僕さーこっちの世界でもよく食べるタイプみたいでね、王子との婚約話が出てからは両親が太らないように食事の管理とかしてて、でも寮に入ることになったから間食とかしないようにお小遣い減らされちゃってさー」
「オマエって前世の趣味、ゲームと食べることだったもんな?」
「違うよ!僕の趣味はゲームと暴飲暴食だよ?」
「いや!暴飲暴食が趣味なんてヤツ聞いたことねーわ!」
「アハハ」
「しかも、小遣い減らされる程って…前世の記憶無くてもやらかしてたみたいだな⁉︎」
「えへへッやっちゃった!」
「お前が王子と結婚したくねーのって食べる事を制限されるからなんじゃねーの?」
「そこはちゃんと男だからだよ?まあ…ほんの少し位はそうかもしれないけど?」
「ハア…って言うか、悠の寮って間食有料なんだな?」
「え?玲のところは違うの⁉︎」
「俺の寮は消灯後はダメだけど、それまではいつでもいくらでも全部無料だよ。
部屋に持って帰るのも出来るから消灯前に持ってくヤツも居るな」
「ズルい!ズルい!僕もそっちがいい!」
「そうなるから両親はそっちの寮に入れたんだろうな…」
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ふたりの会話は目的のガチャから逸れていった
ようやく、ガチャを引いたのは時計が無いので分からないが1時間くらい経ってからだろう
ガチャを回す前に悠が「お小遣い無くなっちゃうから絶対に食べ物系の材料を出してよね!」っと玲に5000Mを押し付けたので、玲は祈りながらアイテムガチャ11連を回した。
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