5話 アバタールーム内
「何だここ?」
「ね?普通でしょ?」
ーーー
玲のアバタールーム内
シンプルな白い壁紙、床はフローリング、窓には淡い緑色のカーテン、入ってきた扉とあわせて扉が4つ、さらにクローゼットが置かれてキッチンもある
さながら、ワンルームマンションのようだ
まあ、扉があるのでワンルームではなさそうだが
「やけに現代的だな」
「玲の部屋は扉が多いね、僕の部屋は扉3つだけだったよ」
「うぇ〜い!勝った〜!」
「変なとこで張り合わないでよ!王子けしかけるぞ?」
「すいません。調子のりました。って言うか守るって言ったわりにからかってくるやん」
「アハハ、とりあえず調べてみようか?」
ーーー
入ってきた扉以外の3つある扉を調べてみると一部屋は、鍛治道具や窯、木材加工が出来そうな設備それから理科の実験に使いそうな道具一式、裁縫道具が置かれた作業台、さらには中央の部屋にキッチンがあったにもかかわらず、どこの厨房?と言いたくなるような設備まであった
もう一部屋はシンプルにガチャが置かれていた、ここだけは明らかに現代の匂いがしたよ
ちなみに途中で気になったのでカーテンの向こうも調べた、カーテンをめくるとデカい窓がありそこから庭に繋がっていたが正確には庭と言うより広い牧場の様だった、畑があり家畜を飼えそうな小屋までもがあった
ここまで謎が深まっていたが、最後の一部屋は何故か悠の部屋に繋がっていたので、ついでだから悠の部屋も探索したが中央の部屋は同じ様なワンルームタイプで扉は今入ってきた玲の部屋につながる扉とガチャ部屋と外に通じる扉だけだった
少し違ったのは悠の中央の部屋にはキッチンとクローゼット以外にテーブルがあり、その上に小さなプランターと道具箱があった、そのかわり、庭は無くカーテンの向こうは窓ではなく壁だった
「分かんねー、何だこれ?予想外すぎる⁉︎」
「けど、ゲームっぽいよね!ガチャとかさー」
「それはそう!分かる!」
「乙女ゲームってこういうの必要なのかな?」
「手出してないジャンルだからなあ…こんなことならふたりでプレイしとけば良かったなあ」
「もしプレイしてたら僕RTAしたと思う」
「楽しむつもりないやん⁉︎」
「アハハ、まあ僕女の子が好きだし」
「まあそれは俺もそうだけど」
「でもさー、玲の部屋の方が設備が多いのってやっぱりスキルが関係してるんじゃないかなあって思うんだよねー僕たちの違いってそれぐらいだし」
「『クリエイト』と『ファーム』だっけ?
あ!だから牧場みたいな庭と作業部屋っぽい部屋なのか⁉︎」
「何か作れるんじゃない?」
「そうだな!コレで良い物が作れたら俺チートかもな⁉︎」
ーーー
ふたりは一度、玲の部屋にもどることにした
外に出なくても悠の部屋から先程と同じように戻ることが出来た
「まずは材料かな?庭に何かあるかな?それともクローゼットに入ってたりするかな?」
「あー!そっか材料のこと考えてなかったわ!その辺探すならさすがにもう時間がヤバそうじゃね?」
「あっそっか!つい夢中になっちゃったね!」
「作るのはまた明日だな、寮の部屋に戻ったらアバタールーム出して材料探しとくわ!」
「あれってことはコレからは夜もふたりでアバタールームを通じて話すことが出来るね!」
「うわ!アバタールームめっちゃ便利じゃん!」
ーーー
ふたりは夜にアバタールームで会う約束をして寮に帰っていった
いつもと同じ、いやそれよりも長く庭園での時間を過ごしていたと思ったがそんなに時間が経っていなかったようだ
夜それぞれのアバタールームー
悠はクローゼットを漁ってみたが中には何も入っておらず、ガチャルームに行く
玲は牧場に来てみたが特に何も無かったので別の部屋の中を探そうとした時に悠が走ってやってきた
「ヤバイ!ヤバイ!見つけた!」
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