13話 今度は王子かよっ!
「そのようなつもりは…」
「そもそも婚約は王族からの要請ですわ!フレイアが望んだ事ではありません!」
「しかし、男爵令嬢ごときが…」
「男爵令嬢だから何です?この話に意義がおありなら王族へいたすべきでは?フレイアに抗議なさるなんて見当違いですわよ?」
「フ、フランチェスカ様はフレイアが憎くないのですか⁉︎」
「フランチェスカ様もアラン様と婚約なさったのですよね⁉︎」
「そうですわ!フランチェスカ様のような方こそ妃に相応しいのです!それをそこの男爵令嬢なんかと同列に扱うなど…」
「身分だけでフレイアを悪く言うのはおよしなさい!それに皆さまは誤解なさってますわ、私たちはまだ婚約の打診を受けただけ」
「なぜです⁉︎なぜ早く婚約なされないのです⁉︎フランチェスカ様ならばアラン様とも釣り合いがとれます!」
「フレイアとは違います!」
「フレイアはお断りなさいまし!」
「そうですわ!」
玲は疲れていた、この何を言っても受け入れない空気に
そして、キレた
「お黙りなさい!私たちはまだ学生!
貴族の位がどうこう言う暇があれば学びなさい!王子も同じく学生です、まだまだ心が揺れ動く時期なのです!そんな時期にそんなに接点もない令嬢を婚約者にあてがわれては満足いく青春はおくれません!
王子はこの国の未来!今はただ学生として見聞を広げてほしいのです!
婚約は卒業後にどうこうすればいい!貴族院に通う間に王子には好意を寄せる方が現れるやもしれない!そうなれば、私たちは邪魔にしかなりません!フレイアはスキルのせいで縛られるやもしれませんが、婚約以外の方法も見つかるやも知れない!
ならば、今するべき事は学生としてしっかり青春すること!」
唖然とする令嬢たちにフランチェスカは更に続けた
「私たちは婚約を焦っていません!つまり王子はフリーとかわりません、ならしっかりと女を磨きアピールしてみてはいかがです?」
ハッとする令嬢たち
そう今フランチェスカは王子を狙う許可を出したのだ
身分が高いフランチェスカが婚約では手も出せなかった令嬢たちにもチャンスが与えられ
た事を今、理解した
「それでは、お話は以上でよろしいですわよね?皆さま、ご機嫌よう
フレイア行きましょう」
さっさとその場を後にするフランチェスカとフレイア
心の中ではかなり焦っていた
「まずいかな?」
「…追ってこないから大丈夫でしょ?
それより、今は令嬢モードのまま行こう」
「そうですわね!」
「フフッかっこ良かったですよ!」
「何言ったか覚えてないわ」
「「フフフフッ」」
楽しそうに笑い合うふたりだが、更にトラブルは続く
「フランチェスカ嬢、フレイア嬢
少しお時間よろしいか?」
ガゼボが見えなるくらいの場所でなんと話題のアラン王子ご一行に呼び止められたのだ
「ご機嫌よう」
「ご機嫌よう」
ふたりとも引きつりそうになりながら必死に笑顔を作った
咄嗟のことだったが、令嬢スイッチが入ったままで良かった
呼び止めてきたのは
この国の第一王子アラン・オルティス・ドルレア
宰相の息子でフランチェスカの親戚にあたるウィリアム・ホルト
騎士団長の息子でフランチェスカの兄弟子ジャン・オークリー
この3人である
要するに、この国の未来のお偉いさん達だ
「どうなさいましたか?私たちに何か?」
「すまない、立ち聞きするつもりは無かったのだが先程の話聞かせてもらった」
ドキリッと心臓が跳ねる
先程とはどの話をさすのだろうか?
喋り方おかしかったか?
それとも、問題を起こしてると思われたのか?
どこから見られていた?
ふたりは3人の顔色を伺う
「素晴らしかった!特にフランチェスカ嬢!」
「へっ?」
アラン王子が褒めるが、フランチェスカはなんのことか理解出来ていない
「身分差、そんなもの学生の身で語る事ではない!私も同意見だ!
それに、こ、婚約の話も私はふたりの意志を尊重したいと考えている。
後、青春?と言ったか?フランチェスカ嬢が情熱的に訴えていたそれを貴族院にいる間は全うするべきなのだろう?」
『あっ、これ上手くいったくね?』
ふたりは心でニヤリと笑った
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、ブックマークや高評価、いいねなど頂ければ幸いです。
作者のモチベーションに直結しておりますので是非よろしくお願いします。