94話 メイドのパジェラとジェネレ
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次の日、フレイとフランはフレイの部屋で目を覚ました
「ん〜おはよう」
「おはよう…おやすみ」
「待て待て!二度寝するな!」
「まだ、眠いよ…」
「お前、俺より早く寝てただろうが⁉︎」
「それでも足りないよ…」
「やっぱり昨日のアレで魔力使いすぎたんじゃねーのか?」
「いや、ただ二度寝したいだけ…」
「おい!心配して損したわ!」
ふたりは昨夜『アバタールーム』から帰って来ると電池が切れたように眠りについた
何故そうなったかと言うとナビリィとナビミィの喜びフィーバーに付き合っていたからだ
簡単に昨日の彼女達の行動を説明すると、夜食を食べた後、デザートにアイスを所望し平らげるとファームで運動会を開催し、それが終わるとソナタの為に作られた生け簀で水泳大会を開催中に養殖中の魚に食べられそうになり、その後みんなでお風呂に入って就寝という流れである
「まあ、昨日のアレに付き合ったらそうなるか」
「ナビリィとナビミィが喜んでくれたから良いんだけど、僕には少しハードだったよ」
「俺もだわ」
ーーー
ふたりが互いに痛みを分かち合っていると部屋の扉からメイドがやって来た
入ってきたメイドはフランチェスカが部屋にいる事に少し驚いた後、直ぐに調子を戻して挨拶をする
「おはようございます。昨夜はおふたりでお休みになられたのですね。
フランチェスカ様が一緒に居てくださったおかげか、今日はフレイアお嬢様の寝起きがよろしいですこと」
そう言ってメイドはフフフっと微笑んだ
その瞳には孫を可愛がるような優しさが宿っている
「おはようパジェラ」
「おはようございます。ご機嫌も戻られたようですね。」
「まあね」
「良いご友人を得られたようで、パジェラは嬉しいですよ。」
「本人の前では恥ずかしいからやめてよ」
「褒め言葉は本人の前でこそ輝きますよ。」
パジェラの言葉にフレイアは恥ずかしそうな様子でフランチェスカを見る
フランチェスカはよく分かってないのか、首を傾げていた
「さあ、さあ、朝の支度をしましょう!
今日はその様子なら旦那様と大切なお話をされるのでしょう?」
フレイアの様子でパジェラは理解し、行動に移る
扉を開けて昨日の不機嫌なフレイアのままなら今日は部屋に篭っていたかもしれないが、この様子ではしっかりと心を決めたのだろう
決意を秘めた朝は準備に時間をかけるべき、それは長年メイドを勤めるパジェラの教えであった
「うん、ちゃんと起きるから」
「では、私も部屋に戻って支度を整えてきますわね」
「それなら間もなく迎えが来るころかと思いますよ。フフフっ」
楽しそうに微笑むパジェラ
フランチェスカは首を傾げ、フレイアは理解した
お客様であるフランチェスカは知らないが、この家にはメイドがもう1人勤めている
コンコンコンコン!
部屋の扉からノックの音がして返事を待たずにガチャッと扉が開かれた
「失礼します!あ!居ました!フランチェスカ様!お部屋に居なかったので探しましたよ!」
部屋にやって来たのはパジェラの孫のジェネレ
彼女もランドルフ家で見習いメイドとして働いているのだ
「ジェネレ、伝えたいことは沢山ありますが、まずは落ち着きなさい。」
「おばあちゃん!ごめんなさい、私また焦っちゃった。」
「貴女が焦ると、それは奉仕する相手にも伝わりますよ。ご主人様を焦らせてはなりません。分かるかしら?」
「はい。おばあちゃん」
「それではフランチェスカ様の朝の支度を」
「はい!分かりました!
フランチェスカ様、お部屋に参りましょう!」
「えぇ、ありがとう、よろしくね」
「は、はい!お、お、お連れします!」
ジェネレは緊張した様子でフランチェスカを部屋に案内していった
「まぁまぁ!ジェネレったら、あの調子で大丈夫かしら?」
「フランチェスカさんは優しいから大丈夫だよ」
「それは存じてますよ。だからジェネレをつけられたのです。」
「ジェネレ、ちょっと緊張してる?」
「お優しい方とは存じてますが、公爵令嬢様ですからね。
普段通りで出来れば妥協点なんですがね。」
「緊張して無理そうだったね」
「まだまだ、引退は出来なさそうです。」
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ふたりはその後、メイド達の手によって朝の支度を整えたのだが、念入りに仕上げたフレイアよりも、普段通りのフランチェスカの方が時間がかかったことは言うまでもなかった
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