隣り合わせな危険
ある日の朝、何もない日だったけど週間で目を覚ます。
昨日まで大きな仕事を抱えていたから、今日は一日中寝て過ごそうと企てていた。
それでも起きてしまったからにはお腹は空くし、読みかけの小説が気になってくる。
そういった欲望には勝てず、体を無理やり起こしてリビングへと向かう。
朝食の準備を済ませて、机の上にある小説を手に取る。
久しぶりの休日だから、普段のルーティーンも忘れて欲望に忠実になってみる。
今日のために少し多く作っておいたスープを口に含んだ時、ピンポンと音が聞こえる。
まさかね、と少しだけ嫌な予感がよぎるがそんな少ない可能性は考える必要はない。
もしかしたら、注文した家具が届いたのかもしれない。
嬉々として、扉を開く。
そこにいたのは、ギルドの人間だった。
少ない可能性があっさりと訪れたことに気付き、やれやれと仕事の準備を始める。
私はこの中央国、ミドレアの最高戦闘力であり勇者の名を冠する。
転生者、月下玲奈。
「それで、今回は何が起こったの?」
「北の国、ノーデンゲルにてギルティに浸水しきった教団が暴れているようです。
そこまでならいいのですが、ついには城自体を乗っ取り国にとって重要な席にいる数人を人質に取っているようです。」
「状況は理解したわ。
早速向かいましょうか。」
最近、ノーゲンデルはかなり荒れている。
原因として挙げられるのは、結局ギルティの存在だ。
ギルティという魔法使いのグループが何を吹き込んだのか分からないが、ある日ギルティを信仰するグループが生まれた。
そのグループはギルティに対して、支援や交渉を裏でしていた痕跡はあったものの表立った活動は見られなかったため、今まではとりあえず警戒にとどまっていたが何故かここ最近動きを見せていた。
今回もそういったケースの一つだった。
ただ唯一違うのは、自分の国自体に被害をもたらしているところだ。
それはつまり反逆、かなり罪が重くなるという事だ。
そこまでの行動を起こさせる理由は一体何なのだろうか。
ギルティについては実態が全く見えていない。
もしかしたら、思ったより事態は深刻なのかもしれない。
話に聞いたことのある先代勇者の協力も欲しいくらいだ。
現場、つまりはノーゲンデルに到着する。
寒さで息が白くなっている。
この寒さにも、ようやく慣れた来たところだ。
それだけ、最近ここに出向いている。
「勇者様、お待ちしておりました。
相手は大体10人程度、我が国にとって失ってはいけない人材を人質に取っています。
どうか、慎重にお願いいたします。」
ノーデンゲルの大臣の一人にそう言われる。
もはや、顔なじみになりつつある面々を前に剣を抜く。
皆の期待に満ちた視線が分かる。
それだけ実績を残してきたという事だ。
城に入り込んでみると、人の気配は一点に集中していた。
ここまで入り口に警戒がないという事はつまり、奇襲をかけて殺すという考えはない。
つまり、戦闘の意思を全く感じない。
それは、人質がいる玉座の間に行っても同じことだった。
教団、ギルティ側の人間は全員が人質に向けて武器を向けている。
これは単なる時間稼ぎに過ぎない。
なるほど、私が呼ばれた理由も理解できた。
剣を向けることはしない。
相手に一瞬でも、殺意を向けてはいけない。
それでも、私にはこの状況を一瞬でひっくり返すことが出来た。
「リグ・スパイラル。」
一瞬ですべてが終わる。
相手の脳が次の行動を起こそうと信号を送る頃にはすべてが終わる。
これが、光のスキルを手にした私の力だった。
速さは戦闘に置いて圧倒的な強さを誇る。
だから私は、勇者として認められたのだった。
たくさんの感謝を受けながら私はその場を後にする。
結局帰りの時間も含めると、夜になってしまう。
帰りは一人で大丈夫と、私は馬車に乗り込んだ。
「お待ちしておりました、玲奈さん。」
馬車にはもう一人、先客がいた。
「あなたは確か、転生者ギルドの。」
「覚えていただき、光栄です。
今回は玲奈さんに協力いただきたい一件がございまして。」
「話を聞かせて。」
転生者ギルドの一人から話を聞く。
なるほど、色々とつじつまが合い信用に値する話だと納得する。
「では、私たちについてきていただいてよろしいでしょうか。」
「ええ、ギルティにちかづけるなら協力するわ。」
ようやく、この世界に平和が訪れるかもしれない。
今では、望んでいる休日も得れるようになるかもしれない。
でも、その前に…。
「ちょっと朝ごはんたべてもいいかしら。」
「…もう、日が暮れますよ?」
部屋で冷めているスープのことが些細なことだと思えるほど、大変なことが起こる。
その前には腹ごしらえをしなくてはならない。




