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異世界で都市開発 ~はぐれ島での新生活~  作者: 里下里山
第三章 異世界への扉編
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未来からの伝達

 ふと、俺は目を覚ました。

 疲れが抜けきっていない体を無理やり起こす。

 昨日の鬼との戦闘ですっかりと忘れていたが、俺たちは調査としてここを訪れていた。

 ここの宿屋の店主にも話は聞いておきたい。


 部屋から出ると、すでに他の二人は起きてきていて談笑をしていた。

 俺もその席にお邪魔する。


 「二人とも、もう起きてたんだ。

  店主から話とか聞いたりした?」

 「あたしたちはコウイチ君についてきた立場だからね。

  起きてきたから話を聞こうってことにしたんだ。」

 

 それもそうかと、俺は早速カウンターの方に視線を向ける。

 店主も気づいたようで作業をやめてこちらにすぐ来てくれた。

 来るや否や早速俺たちの心配をしてくれる。


 「よく眠れたかい。」

 「はい、本当にありがとうございます。」

 「いやいや、ここは滅多に冒険者が訪れないからね。

  君たちのようなお客さんは大歓迎さ。」


 確かに、東の国に関する話を聞くことはほとんどなかった。

 この前のセイファの話でようやく転生者ギルドを知ったくらいだしな。

 この国の特徴なども全く分からない。


 「冒険者は何であんまり来ないんですか?」

 「うーん、理由は色々あるだろうけど…。

  やっぱり立地が悪いイメージがあるのかもしれないね。」


 鬼とか以外にも色々問題があったりするのだろうか。

 そこに関しても店主は話を続けてくれる。


 「ここは元々、不幸の国と呼ばれていた。

  災害の被害は凄まじかったし、よく魔物に狙われていて国はすぐに荒らされた。

  発展なんて夢のまた夢だったね。」

 「だった、ってことはその事象を覆す何かがあったってことですか?」

 「ああ、国王が失踪して数日たった頃だね。

  そこにやってきたのが転生者ギルドだった。」


 転生者ギルド、その言葉に自然と感情が揺れる。

 俺たちは店主の話を催促するような視線を送る。

 

 「転生者ギルドは当時五人もいなかったと思う。

  それでも魔物を次々となぎ倒し、国中にその名を轟かせた。

  災害も魔物原因で起こっていたようで、当時あった大きな悩みの種は一瞬で解消された。」


 それで、転生者ギルドは地位を上げたわけか。

 もし、勇者のような強さを持った転生者が何人も集まればまさしく最強といえるだろう。

 ただ、そこまでの英雄軍団なら会うこと自体がそもそも難しそうだ。


 「そういえば、何で昨日の魔物が来た時に国の人は隠れるという行動をとれたんですか?」

 「あー、それはね。

  転生者ギルドのリーダーは預言者なんだよ。」


 預言者、つまり未来が見えるという事か。

 うーん、それはスキルだよな。

 未来を見ることが出来る能力ってよく色んな物語に登場するけれど…。

 よくよく考えたらかなりチートな能力といえるよな。


 「国のいたるところにスピーカーが設置されていてね。

  問題が起きる日には朝から連絡が入るんだ。」

 「それがまさしく予言というわけですね。」


 その話を聞いて周りを見てみる。

 昨日は中が見えないよう、カーテンがきっちり閉まっていたが今日は若干の隙間から月明かりが入る。

 ドアもなんなら、少し開いていた。


 「他にも聞きたいこととかあったりする?」

 「いえ、こんな所で大丈夫です。

  これから少しはここにいるので、また話を聞かせてください。」

 「そっか、じゃあまたいつでも聞いてよ。」


 とりあえず、分かったことは転生者ギルドがこの国にとって大きな存在になっていることだ。

 もしかしたら実質的にこの国自体を支配しているかもしれない。

 スピーカーを国中に設置したりできるのだから、むしろその可能性は高いと言える。


 転生者ギルドに直接会うのは結構難しいかもしれない。

 部屋に戻った後、色々と考えてみる。

 地道に関係者を見つけるためにいろんな人に話しかける方法。

 何か問題が起こった時に、それを解決してそこから会うための糸口にする方法。

 結局、明日には何かアクションを起こしたいためそれに向けて体を休めておく。


 次の早朝、仲間の二人にもその趣旨を伝える。

 現実的に行動が起こせそうな、聞き込みから始めることにして人の行動が活性化するのを待つ。

 だが、そういった作戦は一瞬で無駄になってしまった。


 外に出ると、そこそこ人が外に出て色んな行動を起こしている。

 ふと上を見ると、昨日話していたスピーカーの存在に気付く。

 そのスピーカーから、声が聞こえたのは存在に気付いた間もなくだった。


 「あー、あー、マイクテスマイクテス。

  転生者ギルドです。」


 動いていたり話をしていた国中の人々が一斉に静まり返る。

 当たり前といえば当たり前だ、これは命に関わる放送なのかもしれないのだから。


 「さて、どこにいるかわからないけど…。

  幸一とその仲間たち、もうこの国に来てるんでしょ。」


 俺の名前を急に呼ばれてドキッとする。

 まさか、転生者ギルドの側から指名が入るとは思ってもいなかった。


 「まあ、君たちも僕らに会いに来たんだろうけど。

  もちろん僕らも会いたいので、ぜひ来てくださ~い。

  国の皆も案内よろしくね。」


 そうして、放送は終わってしまった。

 俺たちは、言われた通りに向かってみることにする。

 というか、この国にいる以上そうすること以外許されていないだろう。

 

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