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異世界で都市開発 ~はぐれ島での新生活~  作者: 里下里山
番外編2
40/64

一方その頃

 私の名前はグラハ。

 魔王であるディジャバーンさんの指示で、はぐれ島に残り視察をしています。

 特に島の中心人物である二人をよく注視しておこうと思っていたのですが…。


 まずはフィーロという男です。

 この人は本当に一日中引きこもっています。

 多分機械か何かを作っているのでしょうがその実態は謎です。


 次にヴェラル、我々の大陸出身でディジャバーン様の娘です。

 私が魔王様に使え始めたころにはもう大陸を出ていたので面識はありませんでした。

 ヴェラルは島中を適当に歩き回ったり島の住民やフィーロに絡んで一日を過ごしています。


 二人とも正直、島に貢献しているとは思えませんでした。

 そう言ってる私もこの島に来てから何もできていないのですが。

 そんなある日、食堂で座っているとヴェラルが私の前にやってきます。


 「建築屋がいなくて悪いな。

  この島を見てみてどうだ?」

 「島に住んでいる人たちがとても活き活きして見えます。

  ただ…。」


 二人について言及してみようとするが流石に本人の前では言いづらい。

 フィーロのことだけ、聞いてみる。


 「フィーロは、一日中部屋にいるようだがいったい何をしてらっしゃるんですか?」

 「あー、また何か便利道具でも作ってるんじゃないのか?

  我も心配でな、たまに顔を出してはいるが何を作っているかまでは分からないな。」


 それでずっとフィーロは部屋にいるのか。

 フィーロの発明を見たことはありませんが納得できました。

 それに、ヴェラルがよくフィーロの所に顔を出しているのも納得です。


 「もし暇なら、我と一緒に来ないか?

  今日は多分、面白いものが見れるぞ。」


 私はそう言われて少し考え込みます。

 結局、何か分かることがあるかもしれないという事で同行することにしました。

 

 ヴェラルはまず、島の住民が働いている場所をめぐります。

 

 「よう。」

 「あ、ヴェラル様。

  毎日お疲れ様です。」

 「うむ、何か困ったこととかはないか?」

 「最近、暑い日が続いていて土が乾いているような気がするのですが水を多くあげてもいいのでしょうか。」

 「わかった、フィーロに聞いてみよう。」


 そういって、通信機でフィーロさんに連絡を入れました。

 少しして、通信機から耳を外しました。


 「一定量で十分だそうだ。

  わざわざあげすぎることのないように。」

 「わかりました、聞きたいことはそれくらいです。」

 「うむ、また何かあったら確認するように。」


 他の所もこういった感じで回っていきます。

 こうやって島民と話すこと自体がヴェラルの仕事だったようです。

 二人とも、意外と凄いのかもしれないと思うようになりました。


 そして、島民との会話を一通り終えるとこちらを見て不敵に笑います。

 

 「さて、今日はメインディッシュがあるぞ。」

 「メインディッシュですか…?」

 「ああ、気長に待つとしようか。」


 食堂に戻り、ヴェラルと雑談をし始めます。

 30分くらいたった頃でしょうか、ヴェラルの通信機に連絡が入りました。


 「わかった、お前らは下がれ。

  我も早急にむかう。」


 そして、行くぞといって二人で島の端つまり砂浜までやってきました。

 ある程度、石で壁が出来ているのですが向かったところには壁がありません。

 そこを狙ったようにやってきたのは見た通り、海賊でした。

 ヴェラルが警告をしてきます。


 「これから戦いになる可能性が高い。

  大丈夫だとは思うが、気は引き締めておけよ。」


 海賊船から続々と人が降りてきます。

 そして、明らかにボスであろう人物が前に出てきました。


 「おお、可愛い嬢ちゃんが二人でお出迎えかな?」

 「平和的にいきたいんだ、この島に何か用かな?」

 「金になる物は全部よこせ、嬢ちゃんたちも抵抗しなかったらたっぷり可愛がってやるよ。」

 「悪いが、断らせてもらおうか。」

 「ったく、どこ行っても無駄な抵抗ばっかりしてきやがる。

  俺たちの怖さたっぷりその身に教えないといけないようだな。」


 百の位は少なくともいるような大群が一気に私たちに襲い掛かります。


 「なあ、一番強そうなあの男と戦ってみていいか?

  つまり、他の雑魚はお前に任せたいんだが。」

 「ええ、了解しました。

  一人残らずお縄にかけます。」


 とは、いっても数が多いのは結局強力です。

 私といえども手を抜くことは出来ません。


 私が取り出した剣に電気が溜まっていきます。

 私の適正は雷、このスキルは多人数相手にもかなり有利と言えるでしょう。

 向かってくる相手の先頭の一人にスッと剣の先をあてます。


 「エレクトリック・ショック。」


 剣先から放たれた電撃は一人、また一人と伝わって広がっていきます。

 一瞬にして体が痺れた相手たちはその場に倒れます。

 とりあえず私は、これで仕事を終えました。

 ヴェラルが呼んだであろう島民たちによってどんどん縄で縛られていきます。


 「面白いものを見せてくれたな。」


 一番強い奴と戦っていたはずのヴェラルがひょっこりと顔を出す。


 「もう終わったのですか。」

 「ああ、本当につまらない奴だった。」


 ヴェラルは眠そうに目を擦りながら島の中心へとまた歩き出します。


 「グラハ、お前は面白そうだ。

  友達になってやる、これからは敬語を使うなよ。

  友達で敬語を使うのはミミリ以外許していない。」

 「…うん。」


 ぽっつりと海にあるはぐれ島。

 そこには頭がいいけど、引きこもってばっかな人や偉そうだけど優しさが隠し切れない人。

 そんな私の友達が住んでいる。


 

 


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