表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で都市開発 ~はぐれ島での新生活~  作者: 里下里山
第二章 異国の開拓地編
36/64

黒く黒く見たくなかった

 ようやく、俺たちはミミリを救出することに成功した。

 この事件ごと解決したい気持ちも、もちろんあるが…。

 最低でも、バイバンさんは救わないといけない。

 隣にいるスパーダのためにも。


 「ミミリ、何があったのかとりあえず教えてくれ。」

 「あ、そうですよね。実は…」


 そこまで言ってミミリの口が止まる。

 数秒の間で何か考えていたようだった。


 「ごめんなさい、今は言えないです。」

 「何かあるんだよね、無理して言わなくてもいいよ。」

 「でも、バイバンさんが今どこにいるか分からないのは本当です。」

 「結局足で探すしかないよな。」


 そこで、キョウスケも口を開いた。


 「そういえば、ミミリさんはもうスキルは使えるのですか?」

 「そうだ、この事件の主犯の女はギルティです。」

 「俺たちの方でもそんな話は出てたな。」

 「そして、今回の相手はどうやら盗んで与える能力っぽいです。」


 罪で言えば、窃盗罪ってところか?

 今まで聞いてきた中でずば抜けてチート能力な気がするけど。

 ただ、その疑問に答えを出すようにミミリは続ける。


 「まあ、スキルには適性がありますからね。

  他の体に与えたら負荷に耐えられなくなるだけだと思いますけど。」

 「もしかして、今まで戦った奴全員ガタイが良かったのって。」

 「多分、筋肉かなんかを与えられたんじゃないですか?」


 いや、スキルを使えないからってやっぱり強すぎだろその能力。

 あのオペラードですら幹部になれない理由が分かった気がする。

 とりあえず、そいつを倒せば何とかなるのかな。


 「よし、とりあえず何かしら探そう。」


 そういって、俺たちはまた周辺を探してみる。

 が、やっぱり何も見つからない。

 うーん、やっぱり範囲が広すぎるな。

 もう一つの班に連絡を入れてみる。


 「あれ、出ないな。」


 カイゼは、俺の着信に答えることはなかった。

 一応、何度か連絡をしてみるが出ない。

 おかしいと全員が理解する。

 キョウスケは冷静に次の行動を決める。


 「連絡が取れない以上、戻ってみた方がいいかと。」

 「私もそう思います。」

 「そうだな、よしスパーダ背中に乗れ。

  今のうちに回復しておいてくれ。」


 そうして、俺たちは真っ直ぐ今来た道を戻っていく。

 向こうから連絡が来たのは、その真っただ中だった。


 「おい、大丈夫か。

  びっくりさせんな、心配したぞ。」

 「ごめんね、私連絡とか返すの遅いタイプだからさ。」

 「お前、誰だ?」


 頭ではわかっているけど聞いてしまう。

 女の声、それもヒーナじゃない。

 

 「誰って、酷いよねー。

  せっかく楽しく遊んであげようと思ったのに。」

 「俺の仲間は生きてるんだろうな。」

 「うん、生きてるよ。

  他の子には逃げられちゃったし、人質がいないと来ないでしょ?」

 「お前、絶対許さないぞ。」

 「それはこっちのセリフだよー。

  鬼ごっこで最初から鬼の方が多いなんて前代未聞なんだから。」


 そこで俺は、連絡を切る。

 こんなことで時間を無駄に何かできない。

 あの女には根っから話なんか通じはしないんだ。


 俺たちは急いで、分かれ道の所に戻る。

 そして、そのまま先へ進んでいった。

 扉は思ったよりすぐに現れた。


 そして、扉を開ける。

 っていうか向こうから勝手に扉が開いた。

 そして、遂に巨悪が姿を現した。


 「いやー、よくきたね。

  私も、本当に退屈してたんだからさ。

  じゃあ、早速君たちにとって最後のゲームを始めようか。」


 女は上を向いて高らかに宣言する。

 

 「3vs3のデスマッチ!」


 その場は一気に静まり返る。

 女は頬を膨らましながら説明を始める。


 「あなたたち3人と、私たち3人で順番を出し合って先に2勝した方の勝ちだよ。」


 ルール自体はいたってシンプル。

 しかし一つ問題があった。


 「なあ、これってゲームなんだろ?

  ゲームってのは公平性があるから楽しいもんだろ。

  ミミリのスキルを返してくれないか?」


 女は、少し考え込む。

 

 「いや。

  だって、ゲームってのは勝てないとつまらないじゃない。」


 俺の要望はあっさりと躱され三人が集まる。

 話し合いの時間が始まった。


 「そもそも、そんなことせず人質を助けるというのは?」

 「いや、それこそ相手に一方的に蹂躙されるかもしれない。

  しかも、誰が人質か分からないけど残りの二人は助けに来るはず。

  俺たちが注目を集めて隙を作ろう。」


 それが、あの女相手なら一番安全な気がする。


 「ミミリさんは今戦うことが出来ませんよね。

  でしたら初戦がコウイチさん、次が私で一気に行きましょう。」


 これしか俺たちに選択肢はない。

 デスマッチ、なんて物騒な名前のものに能力を持たない味方を出すわけにはいかなかった。

 早速、スパーダとステージに上がる。

 もちろん剣として、相棒として。


 高いところであの女がマイクを持って盛り上げていた。


 「実況は私、チーフちゃんがお届けいたします!

  やっぱりあなたたちが出るんだね。

  面白くなってきたよー!」


 相手のステージから煙が吹く。

 いや、こんなのどうやって用意したんだよ。

 さて、初戦とはいえ強敵が来るはずだ。

 気を引き締めていこう。


 しかし、出てきたその対戦相手はあまりにも意外でそして一番戦いたくない相手といっても過言じゃなかった。

 あの時のミミリの反応を思い出す。

 なぜ、ミミリはバイバンさんのことを言いたがらなかったのか。

 そんなのスパーダがいたからに決まっている。


 だって、今俺たちの目の前に立っているのは…。


 「さて、第一戦目はコウイチvsバイバン!

  これは熱い戦いになりそうだー!」


 バイバンさんは闇を含みに含んだ顔を上げる。


 「まさか、君がスパーダをここまで連れてきてしまうとはね。

  あとで、チーフに記憶を盗んでもらえばいいだけなんだが。」


 バイバンさんから感じるのは圧倒的殺意。

 今、大波乱のバトルが巻き起ころうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ