40話 再起
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ブラキウムは自分の運命を切断するために、イオに迷惑を掛けないようにするために、あえて自ら処刑されに行った。
イオが一言慰めてやれていたら、この結果も少しくらいは変えられたのかもしれない。
しかし、まだ幼い彼には難しいことだった。一人の女を振り向かせることはできなかった。
結局イオは中庭で気絶してしまった。
そして、ブラキウムは望み通りに首を切断されて、その儚い人生に蹴りをつけた。
死ぬことで、その複雑な運命から逃れたのだった。
◆◆◆
あの事件から数時間経った頃、リブラ管理局は真っ白な朝日に照らされていた。
もう何もかも終わった。
そんな時、イオは療養室の中で目覚めた。
「う……? ふ、あぁ……」
上半身を起こして、思い切り背伸びをして、それからゆっくりと周囲を見渡した。
そうすると、自分のベッドにもたれ掛かって眠っている美少女の姿が目に入った。
金髪に紅眼の可愛らしい少女だ。
イオがしばらく見惚れていると、彼女は視線を察知したのか目を覚ました。
「ん……あ、イオ君! もう体は大丈夫なの!? 良かったぁ~!」
美少女は急に飛び起きるなり、イオの体の調子を心配し始めた。急過ぎて驚いてしまった。
わざわざこのベッドの隣で眠っていたことからも、よっぽどイオを心配していたことが分かった。
しかし、その親切心もこんな状況では気味が悪いだけだ。
「あ、あの――――」
「もう大丈夫だよね? イオ君って『不死』の癖して、ずっと寝た切りだったんだよ! もう二度と目を覚まさないんじゃないかって心配したんだから!」
「いや、あの! すみません!」
「……? どうしたの?」
「やっと喋らせてくれたな。それで聞きたいことが一つだけあるんだけど……まず君、誰?」
「…………え」
イオはブラキウムを守れなかった。
しかも、それだけに止まらなかった。
イオは自分自身も守れなかった。
激しい頭痛の末に、記憶喪失になったのだった。




