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A lot of stars  作者: 赤秋の寒天男
第四章 太陽の光
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2話 何もかも詰め込んで

 静かな朝、無言でシロンと廊下を歩く。


 いとも単純で、面白味のない行為だったが、イオはこれがなぜだか楽しかった。

 不思議と心から安心する感覚があった。


「――ねえ、イオ君」

「っ……ぅ、ん?」


 だから、隣を歩く少女について考えていた時、当人に話しかけられて心臓が飛び跳ねた。

 イオは詰まり気味に返事をした。


「アクエリアスに行った時に買ったものなんだけどさ……ぜひ貰ってくれない?」

「それ何だ?」


 彼女が手際良くポケットから取り出したのは、使い道が分からない小瓶だった。

 見てみると、コルクで栓がしてあり、更に瓶の上部にある穴に紐が通され、首から提げられるようになっていると分かった。


 そして、その中に真っ赤な淡い光が詰め込まれているのも分かった。

 イオは見てからすぐに気付いた。

 その正体は、火属性の魔力を限界まで濃縮し可視化したものらしかった。


「――貰っていいのか?」

「何も言わずに首から提げて。それで、なるべく皆に見せないでくれる?」

「あ、あぁ……なんで?」

「いいから」


 シロンは、小瓶の紐を輪っか状にして、イオの首にそっと掛けた。

 それから言うまでもなく、その行為によって二人の距離が物理的にかなり近付いた。吐息が顔にかかるくらいまで。


「……っ、ありがとな」

「別に」


 しかし、それより距離が縮まることはなかった。

 イオたちは何を新たに話す訳でもなく、粛々と倉庫へ向かったのだった。


 疲れた表情のシロン、火照った表情のイオ。

 風邪を引くんじゃないか、と錯覚してしまいそうなくらいの温度差が二人の間にはあった。

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